| 『ねずみ女房』 | ||
ところが、ある日、家にやってきたカゴの中のハトのことが気になりはじめる。捕らわれのハトのえさの豆をいただくために、ハトのカゴに入ったねずみ女房は、何も食べないハトが少しずつ心配になって、話しかけるのである。 夫に嫉妬されながらも、ねずみ女房は、外の世界のすばらしさ、飛ぶということの感動を少しずつ理解していくのだった。 後半の数ページは、大人である読者には、たまらない言葉の連続である。 ねずみ女房が流す、あわつぶほどの小さな涙のことは、子どもにはわからないかも知れない。なのに、この一冊は、子どもの本としてながく読み継がれている。 そう、子どもの本には、ながく生きた大人の想いがたっぷりつまっているのだ。 |