| 『なかなおりのコツ』 | ||
誰でも、いつか、大切なひとと別れなければならないときがある。悲しくて、さびしくてどうにもならないときがある。 それでも、どこかでスイッチを切りかえ、また元気に歩き出さなければならないのが、生きているもののつらいところだが、この絵本をしんみり読んで、なんだか、別れる勇気、次を踏み出す気持ちを感じてほしい。 白黒のさみしいトーンの絵本だが、なかよしのことりと別れたくまの気持ちによりそいながらページをめくっていくと、なんだか、ぽあんとあたたかい空気が流れる。 その瞬間、白黒のページに少しだけピンクが入る。そうか、見返しの明るいピンクはそういうことだったのか。 やまねこの弾くバイオリンの音、絵だけのページ、文字だけのページ、何も描かれてないページに想いが映し出されていく。 子どもに読んでやっていて、つい涙を流してしまうのは大人だろう。それほど、子どもは別れに強いのかも知れない。 ストーリーを紹介するのをためらってしまうほど、そっと大切に読みたい一冊である。 |