『なかなおりのコツ』
 
『なかなおり』
童話屋 1418円
シャーロット・ゾロトウ(文)
みらい なな(訳)
アーノルド・ローベル(絵)
  ふとしたことで大人の機嫌が悪くなると、それはそのまま子どもたちに伝染してしまうものだ。
  どんより暗い朝、じゃあじゃあ降りの雨。パパはママにいってきますのキスを忘れてでかけてしまった。ママはジョナサンにやつあたり、ジョナサンはねえさんのサリーに「ぐずぐずしてると、ちこくしちゃうよ」とおせっかい。サリーは学校で友だちにやつあたり……といった伝染は、いつどんなふうにおさまって、平和になっていくのだろう。
  それは読んでからのおたのしみなのだけど、イライラしてる白黒の絵本に、突然、陽のあたる黄色いページ。ここがすばらしい。読んでいて、思わず顔がほころぶ。
  ささいなケンカも、やがて雨が上がって仲なおり、なんだけど、現実はそんなにうまくいかないんじゃないのと、ページを開いてみると、なあるほど、そういうことだったのか、となかなおりのコツをみつけてしまう。
  絵本の魅力はまさにここにある。ほんとはみんな仲よしが好きなのだから。しかし、この怒ったお父さんの顔、ほんとうに怒ってるよなあ……。