『にんじゃ つばめ丸』
 
『にんじゃ つばめ丸』
ブロンズ新社 1470円
市川 真由美 文
山本 孝 絵
  おまたせいたした。忍者の絵本でござる。これはもう、子どもたちが喜ぶことまちがいなし。
  「とある めだたぬ ちいさなまちの とりわけ めだたぬ いっけんや。」
  調子のよい言葉のリズムではじまる。そこに住むのは忍者の家族。主人公はつばめ丸。弟はからす丸とこかも丸。もちろん父も母も忍者である。
  忍者の修行は夜にはじまる。手裏剣、忍び足、空飛ぶ術、なんでもやってのける。なかでも全員のかくれんぼはおかしい。
  さて、ある満月の夜、忍者姿の五人家族、弁当持ってかけ走りで出発。着いたところは、富士山の火口。その夜は秘密の忍者大運動会なのだ。
  つばめ丸、障害物競走の前にとなえるのは、“しのびのじゅもん”「臨(りん)・兵(ぴょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(かい)・陣(じん)・列(れつ)・在(ざい)・前(ぜん)……」。迫力満点の立体感あふれる絵は、子どもたちに大ウケだろう。いや、大人も、子どもたちに読んでるうちに、つい力が入って、「とあーっ!」「おりゃーっ!」ってことになるにちがいない。
  これ一冊で、また忍者のかっこうした、忍者になりきった子どもたちが増えるだろうなぁ。