『アストンの石』
 
『アストンの石』
小峰書店 1,470円
ロッタ・ゲッフェンブラード 作
菱木晃子 訳
  落ち葉が風に舞う、ある秋のばん、アストンは、冷たく光っている石ころがかわいそうになり、ママの買い物袋にこっそり入れる。少しずつ冬になっていく。外に出かけるたびに、アストンは石を拾ってくる。石を毛布でくるんだり、お風呂に入れたり、いつの間にか、家の中は石でいっぱい。
  困ってしまったのは母と父である。しかし、この絵本のすばらしさは、この困った顔の描き方にある。困っているのだが、母はいつもギターを弾いており、父はあみ物をしているのだ。どのページでも、母はギターを離さず、父はあみ物。
  父の思いつきにより、石たちを連れて、ピクニックに行くことになり、水辺で父は「どうだい、アストン?ここには、おおぜい、石のなかまがいるだろう。おまえの石たちも、ずっと、ここにいたんじゃないかな.....」
  さあ、父の説得はどうなるのか。母は木の下で相変わらずギターを弾いて歌っている。なんてすばらしい。このおおらかな世界。ラストは最高、読んでからのお楽しみ。