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| ▲乳房の再建に使うシリコンを手にする山川医師=市立四日市病院で |
胸を張って温泉へ
乳房再建で希望与える 市立四日市病院
山川知巳 医師
市立四日市病院形成外科の山川知巳医師(35)は、乳がんの手術で失った乳房を再建することに力を注ぎ、女性や母性の喪失感に悩む患者に希望の光を与えている。
乳房を再建する方法は二つある。一つは、自分のお腹や背中などの筋肉と脂肪を移動させて使う方法。柔らかい胸ができるが、手術時間、入院期間が長く、日常生活復帰までに時間がかかる。
もう一つは、人工物のシリコンを使う方法。手術時間が短く体に負担が少なく、傷跡も少ないが、健康保険が利かず、約80万円もかかるのが難点。
山川医師は、愛知、三重県内の病院に形成外科医として勤務中、東海地方には人工物を使った乳房の再建をしている病院がなく、「乳がんを患い、ただでさえ負担の大きい患者が、東京まで手術を受けに通っているのを見て、いたたまれなくなった」という。
患者の負担軽減を考え、技術習得のために再建手術の専門医のいる東京の病院に1年間勉強に行った。戻ってからは、現在勤務の病院の理解を得て、一人ひとりに合った方法で乳房再建の手術をしている。東海各地から、月に7、8人の患者が訪れ、うち2、3人が手術を受ける。これまでに約40人の胸を再建した。「温泉やスポーツジムに行けるようになった」と、喜びの声が届いている。
「全く元通りになるわけではないけれど、満足し明るくなった患者さんを見るのが何より嬉しい」と、山川医師。「乳がんは早期発見すれば治る病気なので、怖がらずに検診を受けてほしいですね」と呼びかけている。 |