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Home > バックナンバー > 2008.5.10 4面
 
 
【4面】
 
どちらがいいの? マンモグラフィとエコー
 
  竹田 寛教授
三重乳がん検診ネットワーク代表
三重大学医学部附属病院副院長

  今まで乳がん検診の中でもマンモグラフィを主として話を進めてきましたが、その欠点を補うものとしてエコー(超音波)検査があることも少し触れました。そこで今回はエコーによる乳がん検診について、今までの話をまとめてみたいと思います。
  読者の中には、既にエコーによる乳がん検診を受けられた方も多数いらっしゃると思います。マンモグラフィが話題になる前は、乳がん検診は主に触診とエコーで行われていました。ところがここ数年、マンモグラフィがにわかに脚光を浴び、その有用性が声高に叫ばれたためか、エコーは少しかすんでしまったような気がします。果たしてエコーは乳がん検診に役に立たないのでしょうか? あるいはマンモグラフィの脇役として今でもメリットはあるのでしょうか?

見事にカバー
  前回、マンモグラフィでは若い人の乳がんがしばしば見逃されることがあり、それがマンモグラフィの最大の弱点であるとお話しました。手では確かに「しこり」を触れるのに、マンモグラフィでは何も見えない。件数としてはそんなに多くはないのですが、時々生じます。しかも若い人ですからその影響は大きいのです。しかし、そのような場合、エコーが役に立ちます。マンモグラフィではみえない腫ようも、エコーでは見事に見つけることのできる場合があります。一般にエコーは腫ようの検出に優れ、若い人でも高齢者でも同じ程度に腫ようを発見することができます。若い人に対するマンモグラフィの弱点を、エコーは見事にカバーするのです。脇役ではなく立派に主役を務めることができるのです。
  では、エコーの弱点は何でしょうか。前々回でも少し触れましたが、一つは撮影者の技量による検出能の差が大きいこと、もう一つは乳がんの診断に重要な「石灰化」の検出に劣ることです。エコーは確かに腫りゅうの検出には有用ですが、それにはかなりの熟練が要求されます。誰もが簡単にできるという訳ではありません。上手な人に撮ってもらったら「がん」を見つけてもらえるが、そうでない場合には見逃される。こんな不公平はあってはなりません。

エコーも積極的に
  一方、マンモグラフィではきちんと修練を積めば誰でも基準以上のレントゲン写真を撮ることができますので、エコーのような不公平の起こる可能性は少なくなります。もう一つの「石灰化」ですが、特に早期乳がんの診断に大切です。石灰化の診断については、マンモグラフィは超得意ですがエコーはどちらかいうと不得手です。これらの理由により、厚生労働省は最近エコーよりもマンモグラフィによる乳がん検診に力を入れているのです。しかしエコーを全く無視する訳ではありません。30代の若い人達の検診にエコーを積極的に取り入れている自治体も多いのです。あるいは津市のようにマンモグラフィとエコーによる検診を1年ごと交互で行っているところもあります。
  学会でも、今エコーによる乳がん検診を見直して、その位置づけと役割を明らかにしようとしています。若い女性は、エコーによる乳がん検診も積極的に受けるようにしましょう。

 
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