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Home > バックナンバー > 2008.5.10 3面
 
 
【3面】
 
【あの会社 この企業】「革新」の連続が成長のカギ 宮崎本店
 
▲杜氏の川村さん(左)と小林さん
 
▲業務部の美濃部さん
  四日市市楠町の老舗の造り酒屋「宮崎本店」の宮崎由至社長は、160年続くのれんを「保守」するため絶えざる「革新」を唱える。社内の各部署でIT化を進める一方、杜氏の経験と技術を重視し、その継承を図る。品評会で上位入賞を果たし、伝統の焼酎にも活路を見出す。ダイナミックな経営戦略が目を引く。
  創業は1846(弘化3)年。明治大正期の建物は1996年に登録文化財になった。こうした伝統を背景にした主力商品の清酒「宮の雪」は全国的に知られる。贈答品や土産物として手ごろで、広く県外へも出ている。

杜氏の知識と経験が不可欠
  酒造りの要の杜氏は、岩手県出身の川村金一郎さん。酒造工程にも当然、コンピューターが導入されているが、吟醸・純米の高級酒の生産には杜氏の経験と知識が不可欠だ。川村さんが手がけた清酒「大吟醸宮の雪」は県新酒品評会でこのほど知事賞を受けた。秋の全国新酒鑑評会での3年連続金賞を目指している。
  蔵元独自の味を確立するため、7年前から「社員杜氏」の育成を始め、現在4人が川村さんの指導を受けている。その一人、醸造課の小林徳二さん(57)は味の改善に取り組んでいる。「米の蒸し具合、麹の生育状況、温度管理など、いずれも判断が難しい」という。川村さんも「酒造りはワンパターンではない。知識の上に経験が必要」と話す。

救世主亀甲宮焼酎
  清酒業界は不振続きで、清酒の出荷量はピーク時の4割に落ち込んでいる。宮崎本店もその例にもれない中で「亀甲宮焼酎」が救世主的なヒット商品になった。《キンミヤ》の愛称で、東京中心にもてはやされている。東京・秋葉原の居酒屋「万世橋酒場」は「4年前の開店時から《キンミヤ》人気は変わらず、仕事帰りの会社員らの定番になっている」という。
▲「革新」を唱える宮崎社長

IT化で意思疎通
  社内のIT化は1997年から本格的に進められた。業務部の美濃部浩一郎さん(48)は、販売管理などの情報を社内のネットワークで共有させ、自社のホームページに毎週、社長のブログを載せるなど、意思疎通の改善を図った。「営業報告に写真を添付して分かりやすくしたり、社長のアドバイスがすぐに出たり、以前より風通しが良くなった」という。
  一連の取り組みが評価され、2005年には経産省の「IT経営百選」で、最優秀企業に選ばれた。
  宮崎社長は「小企業が勝ち残るには、革新の連続しかない」といい、販売状況を知るために連日全国各地へ出かける。「できるだけ売り場に近い所で、消費者の目線に沿って、酒を提供する」という姿勢を忘れない。

キンミヤとホッピー
  焼酎は湯や水で割るか、オンザロックで飲むのがポピュラーだが、《キンミヤ》はノンアルコール飲料の《ホッピー》で割るのが最適と、インターネットの掲示板やブログなどで話題になっている。
  《キンミヤ》70tを《ホッピー》1本(360t)で割り、ジョッキにあわ立たせて注ぐ。
  ホッピービバレッジ(本社・東京都港区)によると「ビールと同じアルコール度数で、ビールよりさっぱりして爽やかな甘みが出る」と話している。

会社情報
本社工場 四日市市楠町南五味塚972
資本金 6750万円
従業員 75人
売上高 45億円(平成19年9月期)
 
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