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Home > バックナンバー > 2007.12.8 4面
 
 
【4面】
 
災い転じて福へ 商店街火災から3か月
 
▲解体作業が済み更地になった火災現場(11月28日撮影)
被災者連絡会解散 復興へ新組織
  四日市市諏訪栄町の商店街で火災発生から間もなく3か月。被災した建物のうち13棟の解体作業が終わって、跡地は更地になり、復興に向けて大きく前進した姿になっている。火災発生からこれまで被災者の支えとなってきた「被災者連絡会」は一定の役割を終えたとして年内に解散する方向となった。
  四日市市消防本部のこれまでの調べでは、9月16日午後9時50分ごろ、諏訪栄町19番街区から出火、店舗と住居11棟が全焼した。部分焼も8棟あり、計19棟で約1728平方メートルを焼いた。消火活動の放水で近隣のダンス教室など3棟で床が濡れ、一時営業が出来なくなる被害もあった。
  店舗経営者や住民らでつくる被災者連絡会は、居酒屋「らすたは」店主の山下芳雄さんを代表者にして組織。被災直後は路上に机といすを並べ、警察や消防、行政などと被災者をつなぐ作業に当たり、その後は営業を再開した雑貨店「さんわ」を連絡場所にして活動してきた。
  解体した13店舗のうち4店舗は近隣の空き店舗などで営業を再開している。解体後の更地をどのように再開発していくかについては、今後新たに組織を作り話し合う予定だ。
  山下さんは「たくさんの方の支援と励ましでここまで来ることができた」と感慨無量の表情。
  市民や市内の事業所から寄せられた見舞金やチャリティーコンサートの協力金の合計は、11月末現在で約60万円になった。解体作業費などで清算される。
取り組みに敬意
  井上哲夫・四日市市長の話 このたびの火災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。復興に向け皆様が一丸となって取り組まれていることに深く敬意を表すると共に、商店街ににぎわいが戻ることを期待しております。

さんわ
  手作り雑貨を扱う「さんわ」(店主・祢占栄子さん)は、10月28日から諏訪栄町のすずらん通りで再開した。20代から制作し続けている、木目込人形やトンボ玉、ビーズなど、祢占さんの感性が光る作品を販売している。「作品にオリジナリティーが出てきた」と評判のトンボ玉は、これまで使わなかったコバルトブルーなど鮮やかな色を使い、目を引いている。祢占さんは「前の店での反省から、今は後悔しないように、思いついたことは即実行している」と、元の店へ戻る目標を見据えて積極的だ。
営業時間=月曜〜土曜午前9時半〜午後4時日曜定休
スパゲッティ田部
  昔ながらのパスタが味わえるお店。11月2日から居酒屋「大學」(店主・増原潔さん)を借り、ランチだけの営業を再開した。定番の「イタリアン」は、トマトケチャップベースのスパゲティを熱々の鉄板に盛り付ける人気メニュー。正午になると駅前周辺にある事業所の人たちが行列をつくる。両親とともに店を切り盛りしている、田部展敬さん(36)は「もとの場所に戻れる日まで頑張りたい」と話している。
営業時間=火曜〜日曜午前11時〜午後2時半(ラストオーダー午後2時)月曜定休
ミネルバ
  婦人向けの衣料・雑貨を扱う「ミネルバ」(店主・大川靖子さん)は近くの空き店舗を借りて、11月20日に再開した。40歳代から50歳代向けの婦人服をはじめ、帽子、マフラー、小物などを扱っている。被災した店舗は約20平方メートルだったが、現在は約2倍の広さになり、これまで置ききれなかった商品が陳列できるようになった。1976年にオープンした老舗とあってファンも多く、再開直後は4日間で約二百三十人が訪れた。
営業時間=月曜〜土曜午前10時〜午後6時半日曜定休 TEL059・351・4050
持ち前の明るさで世話役に 被災者連絡会代表 山下芳雄さん
 
  諏訪商店街火災の被災者連絡会代表山下芳雄さん(57)=四日市市室山町=は、復興に向け取り組む被災地域の広告塔だった。経営する2つの飲食店を失い不安を抱えていたが、持ち前の明るさで「取り壊しが終わるまでは」と、世話役を引き受けてきた。
  山下さんは福岡県出身。高校を中退し地元で板前の修業をしていたが、親方と関係がうまくいかず辞めてしまった。「自分が正しいと思ったことをすぐ口にするので、周囲から浮いていた」。18歳のころ知人を頼って四日市の居酒屋に再就職。21歳で2歳年上のとみ子さんと知り合い結婚。一番街商店街沿いに飲食店「おこりんぼ」を開店し、15年前には3軒隣に居酒屋「らすたは」を開いた。自身が寝泊りするほど居心地が良かったという店は、常連客からも親しまれてきた。
  9月の火災は営業中に発生した。目の前で店が焼け落ちる状況に実感が持てなかった。翌日に3歳と4歳の孫と遊びに行く約束をしていたことが、頭をよぎったという。
  代表としての仕事は被災者同士の意見調整が大半を占めた。解体業者を選ぶための入札や、解体後の土地境界線の問題など、話し合いがつかないことも多かったが「更地にするという共通点に戻り、みんなで妥協しあった」と話す。
  被災地域は諏訪栄町東部自治会に所属する八つある組の一つ「諏訪栄町二番組」にほぼ重なり、日ごろの自治会活動や年1回の食事会などの交流があり、これが被災者同士の連携に役立った。
  山下さんは連絡会解散を前に食事会を開く意向だ。「素人の集まりの僕たちがここまでやれたことに自信を持ちたい。この経験を今後の人生に生かしたい」と話している。
 
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