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| ▲「雑木林にすむ生きものたち」の展示 |
昭和28年の開館以来、三重の自然環境を調査研究、展示してきた三重県立博物館。同館の栗田幸彦さんに自然環境の変化について話を聞いた。栗田さんが気になる大きな変化点は「人と林との関わりの変化」「外来生物」「温暖化」の3つ。
人と林の関わりの変化
昔は雑木林の薪などで夕飯作りや風呂焚きなどを行っていました。当時の雑木林は、人の手が入り、管理されることで風通しや日当たりも良くなり、生物層の濃い良好な空間を形成していました。昭和30年代頃からエネルギー需要が変化し、手入れの放棄や開発、スギやヒノキといった樹木の植林などにより、日光が当たらない生物にとって棲み難い環境が増えました。生物は棲みかを追われたり、採取などにより減少していきました。タヌキやサルなどは里へ降り、作物を食い荒らすなど大きな食害を及ぼしています。
また、最近では竹林の繁茂も問題となっています。雑木林と同様管理が行き届かなくなった竹林は、雑木林を占領するまでになってきているのです。
このように昔は人がもっと自然と深く関わっていました。雑木林の環境はある程度人の手が入ることで1000年以上もの間、保たれてきたのです。
外来生物
最近では外来生物による在来の環境破壊も問題になっています。代表的なものはメダカやコイ、フナ、タナゴなどの在来の生物やその卵を食べてしまうブラックバス、ブルーギルなどの魚。ミドリガメも噛み付く力が強く、イシガメなど在来のカメを脅かす存在です。人間の手によって持ち込まれた生物が、飼育放棄など勝手な事情でどんどん繁殖し、従来の生態系を壊しているのです。
今、心配なのはクワガタやカブトムシなどです。クワガタには地域特有の特徴をもつものがいます。販売されているクワガタなどは他県からのものも多く、ブームが去った時、捨てられ、雑種が増えてしまう可能性もあります。それぞれが責任を持ち、飼育することが本来の環境を保全することに繋がるのです。
温暖化
県内では見ることのなかった南方系の生物が多く見られます。同館の中庭のミカンとパンジーにもツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハといった九州地方に棲む蝶が多く見られるようになりました。他にも県内ではまず見ることのなかった生物を当たり前に見るようになってきました。温暖化の影響が大きく現れていると思います。
環境保全
三重県にはまだまだ生き残っている自然の姿があります。実際に花や虫の姿を見ることで、自然を体感し「大切したい」という気持ちが育つと思います。そこで、自分に何ができるかを感じてほしいです。
現在、同館では9月3日まで「守ろう!レッドデータブックの生きものたち」展、10月15日まで「三重のエコロジー5 雑木林に住む生き物たち」展を開催。自然環境の今の姿を学ぶことができる。
開館時間は午前9時30分から午後5時。休館日は月曜日(祝日の場合は開館)。入館料は大人40円、高・大生30円、中学生以下と65歳以上は無料。
問い合わせは同館=電話059(228)2283=まで
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