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【 訪問歯科診療とは 】
歯医者さんに行きたいが寝たきり等で無理。そんな要介護の高齢者などが自宅や施設に居ながらにして、歯の治療や口腔ケアを受けられるのが訪問歯科診療(主治医の許可があれば入院中でも可)。あらかじめネットワーク事務局に電話で申込をしておけば、最寄りの登録歯科医が相談・治療に来てくれるシステムだ。治療費は医療保険と介護保険でまかなえる。
この訪問歯科診療を県内でいち早く導入し、ネットワークとして整備・体系化したのが、県内の医師・歯科医師、約2000人で組織する団体・三重県保険医協会(真鈴川寛会長)である。同協会の歯科地域医療部で平成8年6月に発足した「みえ訪問歯科診療ネットワーク」は、今年の5月現在で登録歯科医68人、訪問歯科の総依頼件数は825件に上る。
【 高まる口腔ケアの重要性 】
訪問歯科診療では、虫歯や歯周病の治療・予防や入れ歯の作製・修理のほかに重要になってくるのが感染症や誤嚥(えん)性肺炎の予防である。在宅患者の多くはなんらかの疾患を持ち、主治医の往診を受けている場合がほとんど。本人、家族とも罹患している病気に対する意識は強くてケアも行き届く反面、口腔ケアは疎かになる傾向にあるという。県保医協事務局の小田竜也さんは「歯磨きもせずに汚れを放置すると口腔内に細菌が発生し、それを食事の時や咳き込んだりした時に誤って肺の方に嚥下した場合は肺炎(誤嚥性肺炎)になる事もあり、場合によっては死に至る場合もある」と口腔ケアの大切さとあわせて注意を促している。
実際、要介護の高齢者の直接的な死亡原因のトップは肺炎で口腔ケアをした人としなかった人を比較した場合、肺炎の発生率はおよそ40%も差があるという結果も出ている。口の中を衛生的に保つことの重要性が問われはじめている。
【 地域医療・ケアとの連携 】
「みえ訪問歯科診療ネットワーク」の仕組みは、患者や家族はもちろんであるが、訪問介護、医師、病院、各種福祉施設、行政といった患者と関わる立場の人たちとの連携によって成り立つ、地域コミュニティーに根ざした部分が大きい。彼らから連絡をもらい、患者の歯の治療・口腔ケアに出向く。その時に歯科治療を行う上での患者のリスク情報も提供してもらうことで適切な診療が可能になる。
訪問歯科診療に携わる一人は「医療・行政・福祉の横の連携は不可欠」と話す。また、在宅治療可能なものについては最後まで責任を持って行うことが大切ともいう。しかし、在宅治療には限界がある事も事実で、「できる事なら歯科医院に通院する事が望ましく、送迎サービスを受け、デイサービスに出かけるつもりで外来に来ることができる方なら患者にとってもその方が良い。」と話す。
また、訪問歯科診療が増えてきたとはいえ、市民への認知度はまだまだ。今後も登録医師を増やし、依頼数の少ない地域にはもっと訪問歯科診療の啓蒙を行っていくことなどが求められる。「地域医療チーム」の欠かせないシステムとして、これからもスムーズな診療活動を「みえ訪問歯科診療ネットワーク」には期待したい。
尚、訪問歯科診療についてお問い合わせ・依頼等は「みえ訪問歯科診療ネットワーク」(電話:059-225-8747、ホームページアドレス http://www.ztv.ne.jp/mie-hok)まで。 |