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この時期に園芸店の店先を華やかに彩る鉢物のひとつにサイネリアがあります。四方に葉を広げ株の中心に鮮明な色合いのブルーや赤紫、ピンクといった派手な色合いの花をたくさんつけた姿は一見プリムラ類と同じように見えますが、良く見ると中心に太い茎があり、頂点が枝分かれして無数の花を付けているのがわかります。いわば、小菊の株をものすごく縮めたようなずんぐりとした面白い格好をしています。
ところが4〜5年ほど前から、このサイネリアの特長ともいえる「ずんぐりむっくり」ではなく、のびのびと30cmほど立ち上がり枝先いっぱいに花を付ける「木立サイネリア」と言われるものが登場し、新たな人気を呼んでいます。サントリーのセネッティや、他の生産者が育種した桂華(けいか)などいくつかの品種がありますが、あのずんぐりとしたサイネリアからこんなにスマートなスタイルに進化するとは、とても不思議な感じがしてしまいます。
しかし、面白いことにサイネリアの原種は、じつは草丈が90cmほどに伸びるものだったといいます。その草丈の高い原種を元に品種改良を重ね、鉢花として納まりの良いようにずんぐりむっくりの性質に作られたものが現在のサイネリアだったのです。ですから木立サイネリアは、いわばサイネリア本来の姿に戻ったものと言えるのかもしれません。
赤塚植物園 倉林雪夫
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