| 経済産業省指定伝統的工芸品で、県の伝統工芸品でもある「鈴鹿墨」。鈴鹿市は奈良県とともに二大産地となっている。鈴鹿墨作りは、西暦800年頃に始まったといわれており、江戸末期から明治初期に最盛期を迎えた。
しかし、中国産の普及や墨汁の利用などで、墨の需要が減り、実際に鈴鹿墨作りを行う伝統工芸士も今では、鈴鹿市寺家の「進誠堂」3代目の伊藤忠さん(40)=写真左=唯一となっている。
墨作りに欠かせない膠(にかわ)と煤(すす)を扱う原材料屋も国内に各1軒ずつとなり、個性を出すのが難しくなってきている。そのなかで「違い」を生み出すのが職人の技なのだという。
伊藤さんは、墨の伝統を守るとともに、より多くの人のニーズに応えられるような墨作りを目指している。より多くの人に墨を利用してほしいと、色の出る墨を開発するなど新しい挑戦にも余念がない。
また、「鈴鹿墨を認知してもらいたい。本物の墨は、墨汁と違い筆を傷めないし、繊細な濃淡が出る。そういう墨の良さを知ってほしい」と、グループを募り、墨を無料で提供し利用してもらう活動や、その作品の展示会なども行っている。
16・17日には、午前10時から四日市市安島の「じばさん三重」で墨の展示と実演、にぎり墨作り体験などを行う。問い合わせは同会場=0593(53)8100=まで。
墨の魅力は、どれだけ時が経っても変色せず、いつまでも残ること。「作品を見た人がこれは自分が作った墨を使って書いたものだと、分かるような墨を作っていきたい」と伊藤さんは話す。
墨の問い合わせは進誠堂=0593(88)4053=まで。 |