| 「時を伝える微笑み博物館」の名でまちかど博物館に登録されている津市一身田寺内町の岡田屋菓子店には、創業当時から使われてきた和菓子作りの道具が展示されている。館長は店の3代目・岡悟一郎さん(77)。
岡田屋は、創業100年を超す老舗の菓子屋。名物の「桜おこし」は、宮内庁御用達としても表彰された歴史と由緒のある店。
店内に入ると大きなお多福のお面が迎えてくれる=写真上=。このお多福もただ飾りというわけでなく、初代が考え出した金太郎飴ならぬ「お多福飴」に由来するもの。お多福の前には職人の手で彫られた和菓子の木型=写真下=、菓子のデザイン本、泡だて器、焼印、祝い菓子の重箱=写真中=などが展示されている。
木の菓子型はきめの細かい丈夫な桜の木で作られており、130から140年ほど前のもの。傷みは少なく、その精密さからは木型職人の技を感じることができる。
焼印は”祝“などの文字のほかに、縁起物の鶴や亀、菖蒲・土筆など季節の植物を模ったものがあり、見ていて飽きない。
現在ではこれらの道具を使うことは滅多になく、機械での製造がほとんどだが、手で作る菓子は、道具を作る職人と菓子職人の技の結集した芸術性と温かみが感じられ、出来上がりの違いは歴然だという。
「菓子作りでは使い手によって何でもないものが、道具になるんです。菓子職人は死ぬまで修行といわれているんですよ」と話す岡さん。同館では失われかけている菓子作りに携わる職人の技と知恵を知ることができる。
問い合わせは津市一身田町626の同館=電話059(232)2072=まで。
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