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奈良時代(天平の頃・約1300年前)に行基菩薩によって開創されたという、亀山市住山町273の浄土宗・徳本山「太巌寺」は、県下有数の藤の名所として、県内はもとより、関東や関西方面からも多くの見物人が訪れる古刹。
毎年、連休明けの5月10日前後ともなると、境内の藤棚には、長さが1・3~にも及ぶ、うす紫色の花房の群が、隙間なく一面にびっしりと垂れ下がる。その見事さに観る人は言葉を無くし、しばし感動という沈黙に誘われるほど。まさに一見の価値ある藤の花だ。
「大勢の人が来ますんで、数年前から(臨時の)駐車場を幾つか設けました。多くの人に見てもらえれば」と同寺の世話人の一人、蓮見芳子さんは話す。春の香り漂う「藤絵巻」をカメラに収めようと、早朝から山門に列を作る写真愛好家たちも毎年の光景という。
同寺の「長尺の藤」の歴史は、明治初年にまで遡る。当時の相撲力士・明星岳が、藤の木の如く粘り強くて逞しく、藤の花房のように長く立派な花を咲かせるような関取になることを祈願して植えたと伝えられている。昭和10年代、戦争が激化するにつれ、物見遊山が禁じられ、藤棚も縮小。終戦後、檀家の人たちが中心になって藤棚の手入れをするなどして復活。現在も檀家の人たちの奉仕活動により大切に守られている。見物は無料。
「藤の寺は、不事(ふじ)・無事(ぶじ)の寺。花を愛でて、無事をご祈願してみては」と蓮見さん。
問い合わせは、同寺=電話0595(82)0824=まで。 |