「海のミルク」と呼ばれるほど栄養が豊富で、今が旬の海産物・カキ。鍋やフライなど様々な食べ方があるが、生カキは「当たる」と敬遠する人も多い。その消費者の心配を払拭するため、三重県南勢志摩保健福祉部は全国に先がけ、2年前から「カキ安心システム」を構築。県内の生食用カキ養殖業者に対して新技術による殺菌を指導し、三重のカキは全国の市場からも高い人気を得ている。
三重県に分布するカキはマガキやイワガキ、ケガキなど13種類が知られているが、主に食べられているのは今が旬のマガキ。マガキは志摩市磯部町の的矢湾、鳥羽市浦村町の生浦(おおのうら)湾、北牟婁郡海山町の白石湖などで養殖され、県内の生産量は約6600d(平成14年)で全国5位の生産を誇る。三重県産のカキは1年で成長し出荷する「1年カキ」の産地として知られており、小振りだが甘みが強く、ふっくらとしているのが特徴。
三重のカキのおいしさは、その養殖される地理的条件にある。志摩半島から熊野灘にかけて続くリアス式海岸の入り江に流れ込む山林からの栄養豊かな川の水が、澄んだ黒潮の海水と混ざり合い、カキの餌となる植物プランクトンが豊富に育つ環境となっている。養殖法は、ホタテ貝の貝殻にカキの稚貝を付け、波の静かな湾内に浮かべた筏から吊り下げる「垂下式養殖」が取られている=写真左下。
この養殖法で三重のカキの生産量は増加したが、反面、カキが密集して新鮮な海水が循環しづらくなり、不良カキや他の生物が付着する問題もあった。そこで、垂下式養殖で成長過程のカキを選別し、良いカキだけをカゴに入れ、改めて養殖を続ける「蓄養」の行程を追加=写真左下、さらに水揚げされた生食用カキは紫外線殺菌された海水で18時間以上浄化している=写真右下。
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南勢志摩保健福祉部は、これまでのカキ浄化をシステム化し、県内のカキ養殖業者に2年程前から導入している。カキ養殖業者のある漁協なども協力して「みえのカキ安心協議会」も発足。同協議会はカキの出荷シーズン中の毎週金曜日に、カキが養殖されている海域に含まれるウイルスの状況を調査し、その情報をホームページ上で公開するなどの取り組みも行っている。
こうした作業工程と情報公開を経ることにより、県内の生食用カキはおいしさに加え、安心・安全と評判を呼び、東京築地の東京都中央卸売市場をはじめ、全国の市場で人気が高い。大阪市中央卸売市場の浦村産カキ5`cの取引額は平成13年度の6522円から平成16年度には9028円と高騰している。
同保健福祉部・食の安全・安心監視グループリーダーの西中隆道さん(48)は「現在、県内のカキ養殖業者の90%以上が、このシステムを導入し、出荷されるカキには安心マークとしてステッカー=写真左上=を付けています。この取り組みを消費者に知って頂くことで、安心・安全の『みえのカキ』のブランド力が高まることを期待しています」と話す。
同グループでは現在、カキを使った料理コンテストを開催中。書類選考により入選作品を5点選出し、3月12日に伊勢市で行われるアイルランドの祭り「第2回セントパトリックスデーパレード伊勢」のイベント内で発表・表彰される。応募は今月28日まで。応募者全員に「みえのカキ特製マウスパッド」をプレゼントする。
今月26日(土)には、鳥羽市浦村町かき横丁(本浦海岸)で「牡蠣の国まつり」を開催。カキ養殖の本場でカキ汁、カキフライ、焼きカキ、カキご飯などをお値打ちな価格で味わえる同イベント。カキ漁場見学のクルージングもある。
「カキ安心システム」、料理コンテストの問い合わせ・応募は〒516―8566伊勢市勢田町622南勢志摩保健福祉部=電話0596(27)5150、ホームページはhttp://www.pref.mie.jp/NHOKEN/kaki/
「牡蠣の国まつり」の問い合わせは同祭実行委員会=電話0599(32)5002=まで。
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