新規成長5分野に関わる三重県内の産学官が連携して新産業創造へ研究開発を進めている「みえ新産業創造・交流会」。その会員企業・共同研究グループが中心となり、防犯・防災の安全器機開発をテーマに新産業を創出するため2年前から協働している「防犯・安全研究会」(阪田邦雄会長、15団体・企業)はこのほど、地震災害時の避難誘導視認装置の開発にメドをつけ近く実験設置・検証に入る。県合同ビルの階段に装置を実際に取り付けて、効果・効用測定などを行う予定だ。
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この避難誘導視認装置は畜光材料と電子回路(LED点滅回路)を組み合わせたもので、地震災害時に暗い場所でも階段などが確認できるようにした安全装置。災害時の停電では、ビル内が暗くなり階段などが見えなくなるため、逃げようとしても身動きが取れなくなる。それを解消するために、この装置を階段のステップなどに取り付けて、光を発することにより安全な場所に避難誘導する。
災害時の停電などでは通電が止まることから、暗い場所を視認させるには電気エネルギーなしでも光を発することが重要。この装置の開発ポイントとなったところで、光エネルギーを貯めることができる畜光材料と、わずかな乾電池エネルギーで光ることができるLED(発光ダイオード)を組み合わせた優れた研究開発だ。
この装置のシステムは、乾電池に接続したLEDを畜光材料の両端に取り付けて、明るさセンサーにより暗くなると定期的に光を発することになっている。畜光材料は畜光顔料をボンドに混ぜ込んだものなど数パターンで検討中。これまでの実験ではLEDから2〜3秒、光を発することにより畜光材料が5分程度光っている。LEDは普通の電球と比べ、8分の1程度の電気エネルギーがあれば光ることができるため、乾電池の寿命も通常使用で1〜2年はあるという。
取り付け予定をしている階段の設置個所は、金属かアクリルでできているステップの溝か、各段の幅がわかる両サイド。それぞれ設置実験・検証して効果を計ることにしている。早くも防災用の人命救助・安全装置として期待も高まっており、同研究会では早い時期に製品化できるよう更に詰めていく。
防犯・安全研究会は15年4月に発足。県内の電子・電気関係企業の研究者や三重大学工学部の鶴岡信治教授、県産業支援センター職員らが加わって研究会を積み重ねている。参加企業の得意分野を生かした安全に関する商品の創造を目的に毎月1回程度、会合も開いて共同研究しており、近い将来は事業化も目指している。
みえ新産業創造・交流会は県の主導の元、新規成長5分野(集客交流、環境、情報、医療・健康・福祉、海洋)に関し産学連携でセミナーなどを実施して、企業が新たな事業活動のヒントを得られる機会を提供するとともに、より具体的な研究開発を進めるための支援もしている。
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