かつては全国有数の勝景を持つ観光地として賑わった二見町。近年は交通網や観光客のニーズが変化し、訪れる人は減少傾向にある。今、住民らは往時の活気を取り戻そうと、数々の取り組みを始めた。来月4日からは夫婦岩表参道沿いの店舗にひな人形を飾る新しいイベント「おひなさまめぐり in 二見」で新たな観光客誘致を狙う。
伝説によると、倭姫命(やまとひめのみこと)が、景色のあまりの美しさに二度振り返り「二見」と呼ばれるようになったという同町。有名な夫婦岩の隣に位置する遠浅で砂浜海岸の二見浦は、明治15年に日本で初めて「海水浴場」として公認された歴史を持つ。戦後は修学旅行生が数多く訪れる全国有数の観光地として栄えてきた。
近年その二見町に訪れる観光客は、郊外に完成した自動車道「伊勢二見鳥羽ライン」などによる交通網の変化、観光ニーズの推移などで著しく減少。平成2年には年間約241万9千人訪れていた観光客も、平成15年には181万2千人まで落ち込んだ。住民らは観光客の減少に歯止めをかけようと、「二見浦まちづくり検討会議」、「二見町夫婦岩表参道再生委員会」や「NPO二見浦賓日館の会」を結成し、まちづくりへの取り組みを始めた。
その取り組みも徐々に実を結び、これまで8月23日と11月23日の「二見の日」に行われる「めおとフェスタ」、11月には「二見ふれ愛マラソン」、毎月23日には、二見海岸の堤防に数百のキャンドルに火が灯される「二見キャンドルロード」などのイベントを恒例化。また、JR二見浦駅から旅館街を通り、夫婦岩のある二見興玉神社へと続く表参道の整備も国の「街並み環境整備事業」の補助を受け、平成14年から始まった。
こうして二見町の再生への兆しが見え始め、来月4日からは住民主体による新しいイベント「おひなさまめぐり in 二見」が開催される。このイベントは、表参道沿いの旅館や土産物屋の店先に、古くから伝わるおひな様、またユニークな創作ひな人形を飾り、道行く観光客に楽しんでもらおうというもの。
期間中、町内のギャラリー「夢ぎゃらりぃ二見」では放浪の画家・山下清の作品展、伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として使用されていた国の登録有形文化財「賓日館」では南部美智代雛人形展(2月9日まで)と奈良県薬師寺執事の大谷徹奘氏による法話会(前売り1000円、当日1500円)、真珠で作られたひな人形の展示が行われる。2月27日には町内の老舗旅館「朝日館」で黒田月水氏による土佐琵琶の演奏会も行われる(前売り1500円)。その他、協賛旅館・店舗によるイベント期間限定の特別料理メニューも販売される。
同イベントに取り組む「おひなさまめぐり in 二見実行委員会」の実行委員長・西村ひさ子さんは「興玉神社への表参道も石畳になり、次はソフト面を充実させる時期。町民の皆さんの協力や意識も日に日に高まっています。『おひなさまめぐり』が毎年恒例のイベントになるよう定着してくれれば」と話す。
同イベントは3月3日まで開催される。問い合わせは二見町役場企画課=電話0596(42)1111=まで。
夕暮れの旅館街。
新しく整備された表参道の石畳が美しく続く。再び大勢の観光客らの脚光を浴びる日も近い。
|