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三岐鉄道北勢線阿下喜駅で今月1日、昭和初期の産業遺産である北勢線・阿下喜駅転車台(ターンテーブル)が数十年ぶりに復元され、一般公開を開始した。
この転車台は1914(大正3)年に開業した北勢線の前身である北勢鉄道が1931(昭和6)年に阿下喜駅まで延伸して間もない時期に造られたもの。桑名方面から材木を積んで到着した貨車を、駅に隣接する製材所へ移動する際に利用されていた。当時の転車台は台の上に乗る車両自体が小さいため、直径3m前後のものが主流だったが、同駅の転車台は長い材木を積んだ貨車を回すという事情もあって直径5mと大きなものだった。使用されていたレールが北勢鉄道開業当時のものと同じであったことから、軽便鉄道時代の貴重な鉄道遺産として多くの鉄道ファンにその存在が知られていた。
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長らく地中に埋もれたままになっていた転車台が数十年ぶりに復元されることになったのは今年4月。北勢線開業90周年を記念して同駅で行われた式典で、鉄道ファンから寄せられた要請が盛り上がり、復元に着手することが決まった。4月末に発掘された転車台は地中に埋もれていたことが幸いして原形をとどめていたが、全体が錆に覆われているような状態であったため、三岐線保々駅の車両工場に運ばれて復元作業が行われた。作業の中心となったのは同鉄道OBの石垣昭三さん(66)と前川進さん。現役時代に培った技術を活かして大部分の復元作業を2人で行った。
「部品はほとんど残っていましたが、錆びて固着していたので壊さないように昔の姿を復元するのは大変でした。暑い中での作業には苦労しましたが、鉄道に詳しい人にも満足してもらえるように、レールを繋ぐボルト一つにまでこだわって復元しました。当時を伝える姿を多くの人に見てもらえれば嬉しいです」と石垣さん。
復元された転車台は、当時とは駅構内の配線が変わっていたため、今春に敷設された展示線の先端に移設された。同駅の展示線では、北勢線運営協議会が山口県下松市から借り受けているSL「下工弁慶号」が展示されており、毎月第一日曜日には転車台に載って方向転換する様子も見学できるようになった。また現在、三岐鉄道株式会社は、丹生川駅の貨物鉄道博物館開館1周年の記念事業として、10月15日まで「三重の貨物輸送写真コンクール」を開催して、県内鉄道による貨物輸送にちなんだ写真作品を募集している。
詳細の問い合わせは三岐鉄道株式会社総務部内「貨物鉄道博物館コンクール係」=電話0593(64)2141=まで。
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