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最近のテレビや新聞などで『予防歯科』という言葉を耳にしたことありませんか。歯科疾患は、歯科医学の向上により予防可能な疾患となったのです。それには、ホームケアと、専門家による定期的な管理と支援が必要です。歯をどうすれば守ることができるのか真剣に考えてみませんか。今回は特に子供の歯を守るということに焦点を絞って話しを進めていきます。
むし歯と歯周病。これらは「歯の二大疾患」と呼ばれ、戦後から最近まで歯科医院はその対応に追われてきました。悪くなったら歯医者さんで歯を削って詰め物やかぶせ物をしてもらう。その治療した所も何年かすればまた悪くなり再治療する。自分の歯はどんどん削られてしまうことになります。むし歯がない人も歯肉が腫れたり、ひどくなると歯を支えている骨まで徐々になくなり、歯がぐらぐらして硬いものが噛めなくなったという事もあるでしょう。実話として、朝起きたら歯が自然に抜け、口の中に残っていたという人もいます。
噛むことの効用
老年期になり、入れ歯のお世話になってから「蛸やイカを噛んでみたい!」と切実に感じている人が多いのが現実です。どんなに精巧な入れ歯を入れても噛んだ刺激は、その下の歯肉にしか届きません。噛み応えも味のひとつなのです。そして自分の歯で噛むこと(咀嚼=そしゃく)は健康にも大変良いのです。別枠の、咀嚼の
つの効用を参照してください。また、歯の表面は骨よりも固いエナメル質という組織で守られていますが、不思議なことに噛んだ瞬間に大体どんな物が口の中に入ったのか識別できるくらい繊細です。ご飯の中に石が入っていたらすぐにわかるでしょう。これが入れ歯だったらこうはいきません。
むし歯になる時 ならない時
むし歯予防の三大原則は、@歯磨きの徹底、A砂糖を控える、B早期発見・早期治療ですが、虫歯菌・歯・砂糖・時間の4つの要因が重なると、酸が出現して歯の表面からカルシウムとリンが放出され脱灰(歯が溶ける現象)が起こります。そして様々な要因が複雑に絡み、むし歯となってしまうのです。逆に歯や口腔の環境を良くしてあげれば、再石灰化(溶けた歯が修復される現象)が始まり、回復できることがわかっています。
私たちの口の中では脱灰と再石灰化が常に起こっています。そのバランスがうまくとれていればむし歯にはなりません。ところが口の中のむし歯菌の量が多かったり、その栄養となる糖質をたくさん摂取したり、また抵抗力が落ちたりすることでバランスが崩れ、むし歯が発生することがあらゆる研究の結果、分かってきました。別枠のむし歯のリスクを参照して下さい。
唾液が歯を守る
酸は、歯の表面にいるむし歯の原因菌が食べ物、特に糖質類を栄養として産み出されるもので、むし歯菌の多い人や甘い物を一日の中で何度も食べたり飲んだりしている人ほど、むし歯になりやすくなります。逆に飲食する間隔が開いていれば、唾液の緩衝作用によって中和されるため、虫歯の進行する可能性は低くなります。
唾液は食事のたびに酸性になった環境を中和して元に戻してくれます。中和されると唾液中のミネラルが歯に再び取り込まれ、溶けかけた歯は元に戻るのです。これを再石灰化といいます。むし歯から歯を守ってくれている唾液ですが、その量や能力には個人差があります。唾液の量が多い人ほど、また中和する緩衝能力が高いほど、むし歯に対する抵抗力が強いということになります。
【唾液の働き】
1.洗浄作用 2.保護作用 3.抗菌作用 4.緩衝作用 5.再石灰化作用
この他にもさまざまな作用によって歯を守っています。
| 咀嚼の8つの効用 |
むし歯のリスク |
ヒ
肥満防止
ミ 味覚の発達
コ 言葉の発達
ノ 脳の発達
ハ 歯の病気の予防
ガ ガン予防
イー 胃腸快調
ゼ 全力投球
“卑弥呼の歯がいいぜ”
古代人はあごがしっかりとして歯が丈夫でした。 |
A むし歯菌の多い人
B 抵抗力の弱い人
C 唾液の少ない人
D 間食をよくする人
E 甘いものをよくとる人
歯科医院では、むし歯のリスク検査もできます。
かかりつけの先生に相談されるとよいでしょう。 |
むし歯の原因となる細菌は、生まれたばかりの赤ちゃんには存在しません。少し難しい話になりますが、2〜3歳までに口中の細菌の生態系は完成すると報告されており、この頃までにミュータンスなどのむし歯菌に感染してしまうと生涯そのコントロールは大変難しいものになります。そして、残念なことにそれらは主に母親などの家族が使用した箸やスプーンなどから伝播されるといわれています。むし歯菌は酸を出すだけでなく、ねばねばした物質を作り出して歯にくっついてしまいます。そのため、箸などにも付着して感染してしまうのです。小さいお子様のいる家庭は特に気をつけたいものですね。特に乳歯の奥歯の生え出す1歳半頃から2歳半位までは『感染の窓』と呼ばれ、この時期に感染する事が最も多いということです。極端に言ってしまえば、3歳位まで徹底的に感染に注意すれば生涯を通じてとても良い結果につながる事は間違いないといわれています。
また、子供がタバコの煙(副流煙)を吸わされると、血中のニコチンの代謝産物である血清コチニンのレベルは高くなり、これによって乳歯がむし歯になる危険性はおよそ2倍になると報告されています。また、副流煙を遮断すると27%の乳歯にむし歯の発生が見られなかったことが確認されたそうです。近くにいる大人がもっと気をつけるべきですね。
大切なのは毎日の歯と口のケア
むし歯は歯科医院での定期的なチェックとケア、そして日常のセルフケアによって予防することができます。
ホームケアでは、スプーンが持てるようになったら年齢に合った歯ブラシを持たせて歯磨きに慣れるようにしてあげて、上手に磨く真似をしたら大いに誉めて歯磨きは楽しいもの、口の中はさっぱりして気持ち良いという事を体感させましょう。小学校の低学年までは寝る前の仕上げ磨きをしっかりしてあげて下さい。仕上げ磨きは歯ブラシを替えて奥まで届く物を選ぶと良いでしょう。また、おやつも要チェックです。一番悪いのはだらだら間食をすること! 甘くて歯にくっつきやすいものは考えものです。幼児期は歯ぐきの中に永久歯が育っています。食事でしっかりと栄養が取れるようにお菓子の時間や量も考えて下さい。代用甘味料なども有効です。キシリトール製品やトゥースフレンドリーマーク、特定保健用食品マークの入った”歯に安心“のおやつも市販されていますので、上手に利用すると良いでしょう。生えたばかりの歯にフッ素も効果的です。その人に合った効果的な歯磨きの方法や管理の仕方、フッ素の応用まで歯科医院では歯科衛生士がそれらの仕事を担っています。気軽にドアをたたいてみられることをお薦めします。
これからの歯の健康
平成11年保健福祉動向調査では、歯や口の「悩みや気になることがある」と答えた人は全体の69・6%という結果が出ています。治療を目的として医院を訪れる人を「患者」さんといいますが、歯や口の健康について何かをしてほしいと訴えてくる人は「クライアント」であって、今後はこのように何でも気楽に相談に来られる歯科医院を目指す方向に動いています。
| 県下の主な歯と健康に関するイベント |
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6月6日
(日)
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9:00〜
16:00
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桑名市
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「歯っぴいフェスティバル」
星川サンシティ |
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10:00〜
14:30
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津市
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「歯の健康展」
津リージョンプラザ保健センター |
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12:30〜
15:30
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松阪市
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「歯の健康まつり」
松阪市子ども支援研究センター他 |
最近の傾向として、歯科医院を訪れる人の中で”口臭“を気にして来られる人が増えてきているそうです。
今回はむし歯についての話でしたが、「歯周病」の予防も歯の汚れを取るということでは同じです。狭いお口の中に、何でも噛めるように作られた歯の形態はとても複雑な形です。隅々までしっかりブラッシングをしてプラークコントロールに励み、一生自分の歯で美味しく食事ができると楽しいですね。
【取材協力】三重県歯科衛生士会専務理事・歯科衛生士専門学校専任教員 渡瀬恵子氏
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