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鈴鹿市神戸地区で商店街再生へ向けての新しい試みが動き始めた。“商店街”という枠を越えて地域住民が参加することで、商店街のみで行われてきた従来型の振興策に新風を吹き込もうという狙いだ。“商店街は地域の財産”という価値観をいかに周知していくかに商店街再生の成否がかかっている。
進む衰退に待った!
先月11日、神戸本通り商店街周辺地域で「緑雨祭」が開催され、多くの来場者で賑わった。神戸地区出身の明治の文学者・齋藤緑雨をテーマに行った講演会は人で溢れ、急ぎ会場を変更するほどの盛況を見せた。無料で行った農・海産物などのふるまいや、農家による直売市やフリーマーケットも大盛況。最終的には数千人の来場者があり、同地区はかつてない盛り上がりを見せた。この成功の大きな鍵となったのは、同祭の企画・運営を終始リードし続けた地域住民の力だった。
「このまま何もしないと今後十年の内に商店街は決定的に荒廃するだろうと見ています」と語る四日市大学経済学部助教授・杉谷克芳さん。地域住民という立場から「歴史の街・神戸の商店街再生を考える会」代表として商店街の振興に関わり、同祭の企画・運営を主導してきた。「高齢化が本格化する数十年後には、商店街の存在意義が再評価される日がきっと来ます。その時まで商店街に生き延びてほしいのです」。
諦めから手応えに
「これまでも商店街で知恵を絞って様々な催しを行ってきましたが、一般の住民には全く受け入れられませんでした」と神戸本通商店街振興組合理事長・藤井近さん(50)は振り返る。催しを行っても盛り上がるのその時だけ。神戸はこんなものだというあきらめの空気が商店街全体に漂っていたという。「しかし今回の緑雨祭は違いました。徒労感が残るだけだったこれまでのお祭り騒ぎではなく、地域の文化を見直すことで街自体の良さをアピールできたという確かな満足感を感じることができたのです」。次に繋がる手応えを得た商店街からは、次回開催に向けての積極的な意見も出始めた。賑やかしのお祭りから町の“ストーリー性”が見える文化的催しへ。発想の転換によって地域が前向きに動き始めた。
地域による街作りを
今後同地区では、月一回開催の「石橋楽市」の定着を目標に、今月16日の「弥衛祭」、来月13日の「長吉祭」が次々に開催される。16日の「弥衛祭」では緑雨祭で好評だった青空市やふるまいなどのイベントとともに、同地区出身の日本画家・浅野弥衛(1914〜1996)の絵画展と講演会、喜多流能楽師・長田驍氏による薪能「杜若(かきつばた)」の演舞などが開催される。同地区の文化的魅力の周知を柱に据えて、コミュニティの核としての商店街の重要性をアピールする考えだ。
「商店街再生を実現するには、地域の共感と参加を得て、多くの住民が連携することが必須です。参加者1人1人のアイデアとネットワークがあってこそ街に賑わいが戻ると考えています」と杉谷さん。
現在同会では、今後の催しや活性化事業の企画・運営に関わるボランティアを広く募っている。問い合わせは「歴史の街・神戸の商店街再生を考える会」・杉谷さん=電話0593(69)3087=まで。
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