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伊勢市河崎はかつて水運で栄えた町。その古い町並みの旧家がアトリエのとんぼ玉作家・金井耕平さん(36)。
東京出身で、国内や世界各地を放浪。その長い旅の中で訪れたのがアメリカ原住民の居留地。「もともとネイティブアメリカンのアクセサリーに興味があり、そこで銀細工を学びました」。
銀細工づくりを続けるうちに、原住民の精神世界の文化にも興味を持った。その文化が、日本人古来の文化にも共通点があることに気づき、帰国後、その本質をとんぼ玉で表現しようと、作家活動を始めた。
「とんぼ玉」とは、ガラス棒を高熱で溶かしながら、その表面に様々な色と文様を施してできるアクセサリー。とんぼの眼のようなにじんだ色とその形から呼び名がついたといわれ、作家により多様な表現方法がある。「紀元前からガラス製の玉は作られており、日本の『曲玉』もその一つ。アイヌの文化にも同じ玉が残っています。アクセサリーとは、元来、単に自分を飾る装飾品だけでなく、自然への畏敬の念を込めたものだったと思います」。
県内で自分の制作環境に合った場所をいろいろと探しながら、引っ越しを繰り返してきた。そしてたどり着いたのが、伊勢市河崎。「旅と制作を続けながら、改めて日本の根源的な美しさに気づきました。伊勢神宮など日本古来の文化が残る伊勢で制作することが夢でした」。河崎が古くは職人街だったことも、この町で制作する一因になった。
とんぼ玉だけにこだわらず、木彫や生け花など、他のジャンルの制作も行う。「表現手段は違っても、表現したいことは同じです。作品を作ることは、自分と向き合う行為だと思います」。
見るたびに異なる印象を持ち、何時間でも眺めてしまう金井さんの作品。現在、亀山市西町のオーガニックレストラン「月の庭」で個展を開催中。10日まで。問い合わせは同店=電話0595(82)0252=まで。
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