ローカルみえ
 
HOME
社会 ビジネス グルメ 文化・生活 健康 お出かけ
朝日新聞の姉妹紙
ローカルみえ
ローカルみえは2000年10月12月号〜2007年7月27日号(統合版)まで発行
SANSANは2000年10月5日号〜2004年9月2日号まで発行
オンラインショップ
 
 
 
 
よっかいちタウン情報-まつさかタウン情報
   
RAKU
統合版(2004.11以降)
ローカルみえ
さんさん
RAKU
防災特集
   
広告掲載について
お問い合わせ
ローカル三重概要
会社概要
著作権とリンクについて
リンク集
メール
 
 
Home > さんさんバックナンバー > 2003.9.4 > 1面
 
※掲載内容は取材時によるものです。詳細は各施設、店舗にお問い合せ下さい。

さんさん【1面】

風が運んでくれた永遠のエネルギー
風力発電




 風の有効利用は帆船による交通手段、風車による製粉など古くからあり、人類に多大な貢献をしてきました。そして今、新たなエネルギー資源として風の力が注目されています。現在、県内の布引山地・青山高原で稼動している風力発電施設の取り組みを紹介し、風力エネルギーについて考えてみました。






● "風の通り道”青山高原 ●


 化石燃料や原発に依存するエネルギー形態に変わるものとして太陽光、風力、バイオマスなどのいわゆる新エネルギーが注目されています。平成9年の気候変動枠組条約第3回締約国会議・京都議定書では、地球温暖化防止の二酸化炭素削減目標も盛り込まれるなど、将来は環境に配慮したクリーンエネルギーの時代といわれています。
 なかでも風力発電は風力エネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できる比較的効率のいいエネルギーとして、また地域の特性を活かせるエネルギーとして、各地で導入が進んでいます。平成14年度末の数字で、国内の風力発電機の導入基数は576基(46.3万kW)と3年前の約3倍にも増えています。都道府県別で見ると三重県は全国で5番目の導入量です。
 三重県では久居市が平成11年に同市西部に位置する青山高原に、最頂部75m、羽根の直径50.5mの風力発電機を4基導入。室生赤目青山国定公園内の規制をクリアし、事業開始までわずか3年という手際のよさが関係者の間で話題となりました。
 ところで風力発電を計画する場合、@風況(年間平均風速5m/s〜6m/s以上あること)A立地事情(地形、道路また建設可能な場所か)B送電事情(高圧・特別高圧線が近くに存在し、電力系統への連係が可能か)C環境への影響(動植物への影響、騒音・電波障害など)の4つを考慮すべきといわれています。青山高原の笠取山(842m)は強い風で旅人の蓑笠が取れたことから付いた名前。この一帯は日本海から吹いてくる強風(年間平均風速7.6m/s)が、琵琶湖を経て伊勢湾へと抜ける“風の通り道”になっています。また県道(幅員7m)もあり、さらに航空自衛隊笠取分屯基地用に整備されている特別高圧線に送電系統の連係も可能な、まさに風力発電に好条件が揃ったエリアといえます。また国定公園内にあるため、環境・景観には特に配慮。風力発電機から商用電源までを地中埋没線化、周辺の緑化、管理棟などのトイレは湧水を再利用する循環型にするなどの工夫が行われています。
 電力は中部電力に売電、年間の総発電量は市内の一般家庭約2400世帯分(全世帯の約16%)に相当。年間総電力消費量からの二酸化炭素削減率は4.7%と環境へ貢献しています。「ランドマークになり、久居市をPRできたのはうれしい。全国からの視察も後を絶ちません」と久居市総務部企画課の新秋生さん。平成11年度には、風力発電事業が評価され、(財)新エネルギー財団会長賞を受賞しています。


● 本州最大級の風力発電所「青山高原ウィンドファーム」 ●


 久居市の風力発電事業の成功を受け、青山高原をもっと大規模に活用しようと、同市、大山田村、JFEエンジニアリング(株)、(株)シーテックが出資した第3セクター、(株)青山高原ウィンドファームが、今春から運用を開始しました。風力発電機は20基。
 青山高原の美しい自然景観との調和を図った風力発電所は本州最大級の規模を誇り、山岳地帯における大規模風力発電施設の先進的モデルともいわれています。新エネルギー導入促進を掲げる県の協力と同市、同村の住民、県民の理解を十分に得た上での建設を重視。県自然環境保全審議会にも諮り、県内外の人に対してアンケート調査も実施しました。
 風力発電機は、メーカーは違うが久居市のものと同等の発電規模を持つ発電機を導入、回転部と発電機をギア無しで直結し騒音を抑えたギアレス型も同じです。風車本体は大きさ・デザイン・色もほぼ同じで見た目も変わらず、統一されています。久居市の4基を含めた計24基の風車が、春はつつじ、夏は濃緑の熊笹の中で、ゆっくりと回る姿は壮大で、違和感なく周囲の景観に溶け込んでいます。これからの秋のすすき、冬の雪景色と四季折々の風車の景色が、新たな観光客を呼ぶのは間違いなさそうです。


● 期待高まる風力エネルギー ●


 地球温暖化ガスの排出抑制に向け、国は平成22年までに風力発電の設備容量を300万kWとする導入目標を決定。さらにこの4月には、電力会社に新エネルギーの利用を義務付けたRPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)が施行されました。これに伴い、国は今まで設置に厳しい制約のあった国立公園、国有林、港湾内などの国有地を開放し、風力発電の普及を促す方策を打ち出しました。実際、発電に有効な風を得られる場所は、こういった国の管轄する場所が多いのも事実です。
 また、青山高原ウィンドファームに出資している中部電力グループの(株)シーテックは、美里村に2000kWの発電能力を持つ風力発電を10基独自に建設、平成17年4月に営業を開始予定です。そうなると青山高原に34基もの風車が回ることになります。
 自然の恵みと地域の特性を活かした“風力発電先進県”に今後ますます期待がふくらみます。

【取材協力】
久居市総務部企画課
(株)青山高原ウィンドファーム
【参考資料】
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)調査データ


 



広告掲載についてお問い合わせローカル三重概要会社概要著作権とリンクについてリンク集│
Copyright 2003 Local Mie. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.