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睡蓮の連作で有名な印象派の巨匠モネは、大変な園芸マニアだったと言われています。彼は様々な花や木を庭に植え、池を作り、そこで咲くスイレンの花と、映り込む花や木と高い空の織りなす光と陰を描き続けました。実はこの時代のフランスにマルリアックというスイレンの育種家がいました。彼は独特の交配方を考案し、次々と新品種を生み出したので、「スイレンを手玉に取る魔法使い」と呼ばれました。それまで、原種の白いスイレンしか見たことの無いヨーロッパの人々にとって、マルリアックの作り出す赤、ピンク、黄などの様々な花色のスイレンは、本当に夢のような花に見えたことでしょう。彼は百を越える品種を作り出し、今も多くの品種が作り続けられています。彼の作り出したスイレンはヨーロッパで多くの人々を魅了しましたが、モネも彼のスイレンに魅せられた一人だったのです。しかし当時ヨーロッパで流行したスイレンは温帯スイレンのみで、赤、ピンク、黄、白の色彩しか無く、青系統の色はありませんでした。モネは青いスイレンにもあこがれたと言われていますが、この色彩は熱帯スイレンにしかない花色なのです。熱帯スイレンの園芸化が進んだのは1920年以降のことで、しかもアメリカでしたから、結局モネは青いスイレンを描く事が出来なかったようです。
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