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Home > さんさんバックナンバー > 2002.6.6 > 1面
 
※掲載内容は取材時によるものです。詳細は各施設、店舗にお問い合せ下さい。

さんさん【1面】

ペットと幸せに暮らすために

 心を癒し、我々の生活にうるおいを与えてくれるペット。年々ペットを飼う人が増える一方、ペットを取り巻く問題も増加しています。ペット遺棄の増加など、現在のペットを取り巻く状況を県内関係各所で聞きました。

ペットと幸せに暮らすために

(ペットショップ)
ペットの幸せが第一
 「ペットブームといわれている通り、ペットを求める人は不況前と変わらず増え続けています。現在人気のペットはミニチュアダックスフンドやテリアなどの小型犬が中心になっています」とペット専門店(株)コジマ:和田達典さん。
 2年程続く流行の理由は、成長してもそれほど大きくならず、室内で飼える点。テレビや雑誌の影響も大きいようです。近頃では、手軽なアミューズメントとして、休憩時間や休日にペットウオッチングを楽しむ人も増えています。
 「我々もペットが幸せに飼われることを一番に考えていますから、欲しいという方全員にお売りしているわけではありません。その人の生活環境やペット飼育の経験などを伺った上で販売するかどうかを決めさせていただいています」と和田さん。
 ペットショップ側もペットたちが大事に飼ってもらえるように心を砕いていますが、買って1〜2ヵ月で返品に訪れる人もしばしば見られるという。ペットショップもしつけ教室を開催するなど、売るだけではない新しいペットとの関わり方を模索しているようです。

(保健所)
責任を持って飼ってください
 ペットショップで多くの動物が飼い主の手に渡る一方、人間のエゴに苦しんでいるペットも増加する傾向にあります。三重県津保健所の話によると、昨年は県全体で3600頭の犬が処分されました。一般には野犬が処分されているというイメージがある保健所ですが、実際に処分される犬の多くが飼い主が自ら持ち込んだペットです。飼い犬を持ち込む理由は、生活環境の変化が最も多く、転勤やペット禁止のアパートへの引っ越しなどがその理由です。そこには、仕方がないという飼い主の言葉ひとつで処分されてしまうペットたちの姿があります。もっと悪いことに、可哀想だからと飼い犬を捨てる人もいるようですが、人を傷つけたり犬同士の病気の媒介となるなど、社会に迷惑をかける行いというしかありません。
 「可哀想な命を1頭でも減らすために責任を持ってペットを飼っていただきたいですね」と三重県津保健所。
 また、野犬の数が減少した反面、保健所に寄せられる吠える犬の苦情や糞の始末などのモラル的な問題は増加しています。一般に四日市市や津市などの都市部で問題が増加する傾向にあるようです。
 「簡単に捨てたり処分を考えないで、家族の一員として終生可愛がって欲しい」行政側の思いの鍵を握っているのもやはり飼い主なのです。

(動物病院)
自分にあったペット選びを
 「現在、病院に持ち込まれるペットの約8割が犬です。1・2割が猫、その後にウサギやハムスター、フェレット等の小動物が続きます」と津北動物病院:細野陽介院長。病気予防率の上昇につれて、ペットの寿命も年々伸びる傾向にありますが、反面、昔では考えられなかったような病気にかかるペットも増えてきました。エサのやりすぎによる肥満症、高齢化による心臓病や糖尿病、痴呆症などがその例です。また、一度飼い始めると長くつき合うことになるだけに、最初のペット選びが重要度を増しています。
 「最近の気になる兆候として、ラブラドール・レトリバーの人気が高まっていることがあります。盲導犬の『賢い』というイメージが先行しているようですが、基本的に陽気で活発な大型犬種なので、飼い主が制御するには専門的なしつけが必要なのです。飼う前にしっかりと学び、自分たちに合ったペット選びをすることが、ペットと飼い主の幸せのために大切なことです」と細野先生。
 アニメの影響で飼う人が増えているハムスターやウサギなどの小動物には、日本の高い気温や湿度は大敵です。この時期には、熱中症で病院に運ばれてくるペットも多くなります。小動物はその小ささのため、治療が難しいという側面があり、病院に連れてきたことで逆に寿命を縮めるという残念な結果も起こりえますから、まず病気にならないようにケアすることが肝心だということです。

 爬虫類や昆虫などペットの種類も多様化しましたが、ペットの中心となるのはやはり犬です。東京などの都心部では犬と同じ割合で飼われている猫ですが、県内では野良猫を飼う人が多いせいか、ペットショップで求める人は多くありません。
 昔は雑種を飼っている人がほとんどだった犬も、ペットはペットショップで買うものという考え方が若い人を中心に浸透した結果、純血種をペットにする人が飛躍的に増えました。またそういった新しい世代の飼い主は、病気の予防やしつけにも高い関心を持っているため、犬の飼育環境の向上にもつながっています。ペット美容室やしつけ教室などを積極的に利用し、家族の一員としてペットを飼う新しい世代と、番犬やファッションといった昔ながらのペット観を持つ古い世代の2極化が進行しているようです。
 また、猫に関しては、自由に出入りする形で飼っている人が多いため、他の猫との接触での病気の感染や、貰い手のない子猫の増加などの問題が発生しています。それに伴い保健所でも猫に対する住民からの苦情が増加する傾向にありますが、現在の法律には犬の捕獲に関する取り決めしか無く、猫の捕獲などを行うことは税金の目的外使用に当たるため対応できないのが現状です。
 最近では、地区に集まる猫を地域住民の協力で管理しようという『地域猫』の活動を行う市民団体も出てきましたが、まず、1人1人がしっかりと避妊・去勢手術を行うことがなにより重要です。
 関係各所への取材からも、ペットを取り巻く環境を少しでも向上させたいという共通の思いが感じられました。しかしそれぞれの立場やスタンスの違いから、連携が十分にとれているとはいえない状況にあり、飼い主に一層の責任が問われています。
 飼い主に巡り会う前に命を失うペットがいることを考えると、そのペットが飼い主と出会えたことはとても幸運なことといえます。当たり前と思っている事をもう一度見直す視点が、ペットと飼い主、そして地域が幸せに暮らすための大きな鍵なのです。

取材協力
三重県津地方県民局保健福祉部 保健衛生チーム 衛生指導グループ=電話059(223)5112
ペットの専門店 株式会社コジマ=電話0593(45)1111
Animal Clinic 津北動物病院=電話059(236)506



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