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Home > さんさんバックナンバー > 2002.12.5 > 1面
 
※掲載内容は取材時によるものです。詳細は各施設、店舗にお問い合せ下さい。

【1面】

三重の海は今

三重県は自然に恵まれた美しいところ。 私達が信じて疑わないそんな三重の姿が、少しずつ壊れています。 三重の自然を取り巻く厳しい現状を、水辺を守る人々の活動を通して見つめ直しました。

川越町 高松干潟

川越町 高松干潟
川越町 高松干潟
川越町 高松干潟
川越町 高松干潟
川越町 高松干潟

 三重郡川越町の高松海岸には、県下でも有数の干潟、高松干潟がある。まわりを工業地帯に囲まれた北勢地域唯一の自然海岸であり、渡り鳥の重要な中継地として機能している。
 柳川平和さん(51)が、『高松干潟を守ろう会』を発足したのは昨年4月。海岸沖に連絡道路を通す、霞4号線の計画がきっかけだった。子供の頃から親しんできた海岸を、次世代の子供たちに残したいという思いで、毎月第1・第3日曜日には海岸の清掃を行い、集めたゴミの山を分別している。活動当初、浜は不法投棄のゴミで荒れに荒れていた。その大半が海から流れ着いたゴミではなく、人によって浜に捨てられたゴミだった。昨年、海岸で行ったアンケートでは、県外から訪れる人が多いという意外な事実も分かった。また、干潟の働きと動植物を解説した『干潟マップ』の作成も行い、干潟への市民の理解を呼びかけ続けてきた。現在では同会の活動が次第に住民に浸透し、以前に比べてゴミを捨てる人は少なくなってきたという。

 「自然の少ない川越町の中で、この高松干潟は本当に貴重な存在。自分たちの身近にこんなに良いところがあるんだということをまず知ってもらい、干潟を潰してまで道路が本当に必要なのかということを、みんなでもう一度考えてもらいたい」と柳川さん。今後も干潟の貴重さを広くアナウンスしていく考えだ。


津市 白塚海岸

 津市白塚町で8年前から海岸保全の活動を行っている『白塚の浜を愛する会』。代表の西口恵子さんは、海岸近くに店を構え、白塚海岸のことを誰よりも知る1人。近隣の幼稚園や小学校、三重大学などから要請を受け、浜の動植物の説明活動などを行っている。
 西口さんによると、白塚海岸の砂はとてもコンディションが良く、生態系のバランスが整ってい


るという。絶滅が危惧されている昆虫、カワラハンミョウが生息することでも知られており、昔ながらの白砂青松が残る県内では数少ない海岸といえる。
「白塚の浜は、人があまり利用してこなかったので、貴重な動植物の生態系が残りました。長年活動してこの浜のことを知れば知る程、何もないただの砂浜の貴重さに気付かされています」と西口さん。人が入らなければ自然も動物も残る。当たり前のことのようだが、人が環境といかにつき合うべきかという問題を考えさせられる一例だ。

新たな環境保護意識を

志摩半島
志摩半島
志摩半島
志摩半島

 志摩半島を中心に主にアカウミガメの保護・観察活動を行っている『志摩半島野生動物研究会』代表、若林郁夫さん(38)は、自然を保護することの難しさについて次のように語る。「現在、多くの自治体で行われている、ただ海岸を綺麗にすればいい、人が海と親しめればいいという海岸整備が、海辺の生態系へ悪影響を与えています。よそから砂を運んで作られている人工海浜では、自然が時間をかけて作り上げてきた生態系は全く機能しません。また砂の温度で性別が決定するウミガメの産卵にも影響を及ぼしています」。それが本来、環境を守る清掃という活動であったとしても、やり方を間違えれば海岸の生態系に悪影響を与えてしまうと若林さんは言う。「海と親しむのは悪いことではありませんが、もっと考えて親しむ必要があると、一般の人に知らせていかなければと考えています」。
 県内で海辺の環境保護活動をする人々の話を聞くにつけ、人間の都合で自然が蝕まれている状況が垣間見える。私達が普段親しむ海辺の自然が、こうした一部の人々の活動によって守られているという現状は、今一度考えなければならない問題だろう。
 当たり前のようにあると思っていた自然が気付いたら無くなっていた。そんなことにならないよう、私達1人1人の意識改革が問われている。

取材協力
高松干潟を守ろう会(柳川平和代表)
 @0593(65)3458
白塚の浜を愛する会(西口恵子代表)
 @059(231)7170
志摩半島野生動物研究会(若林郁夫代表)
 @090(8957)9288
三重県環境部環境情報チーム
 http://www.eco.pref.mie.jp/



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