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| ▲伊藤良一さん、久仁子さん夫妻=鈴鹿市若松中の事務所で |
鈴鹿 伊藤良一さん
鈴鹿市若松中の伊藤良一さん(51)は、1995年屋根から転落して、頸椎損傷の重度の障がいを負った。1年8か月間の入院中に、障がい者が自立した生活を送れるように、働ける場所が少ないことを痛感した。1999年「社会福祉法人・朋友」を立ち上げ、家業の自動車部品工場に福祉工場を併設して障がい者が働ける場の創設に取り組んだ。
ハローワークや県、市の福祉課に働きかけ、就労希望者数や障がいの程度などを調べ、作業内容や工場内の環境も考慮し、2000年に身体障がい者福祉工場「アクティブ鈴鹿」を完成させた。当初十八人だった障がい者従業員は現在三十二人に増えた。半数が障害者等級1、2級で、年齢も20歳代から60歳代と幅広く、市内だけでなく四日市や富田など遠方から電車や自動車で通う人もいる。
伊藤さんは重度の四肢麻痺(まひ)の身だが、介助があれば電動車椅子を操作して自分で移動できる。この状態でも人の話を聞き、話し、理解するという機能は残っているので、仕事はできると、会社に復帰し運営の指揮をとっている。
伊藤さんは「自分が障がい者になって初めて知ったことが、福祉に向き合う動機になった」たといい、昨年は夫人と一緒に「ふたりでひとり」(伊勢新聞社発行)と題した本も出版した。「人間の可能性は限りない、出来ないという前に、まずやってみることが大切です」と、自ら励ますように語っている。 |