三重県の地域情報応援サイト RAKU/ぶら〜り 途中下車
JR参宮線五十鈴ヶ丘駅
 
野口みずき金メダルロードを歩く
 
  JR参宮線の五十鈴ヶ丘駅は待合所だけの無人駅。周りは田んぼと畑というのどかな場所にあった。7月初め、まぶしい緑の中、南へ緩やかな坂を登る。
  目の前に「野口みずき金メダルロード」という看板が現れた。2004年アテネオリンピックの女子マラソンで優勝した野口選手が、県立宇治山田商業高校時代にトレーニングで走った2.6キロを顕彰記念道路にしたという。「今日はこの道を歩いてみよう!」
  しばらくして、左へ坂を登ると「倉田山公園」。桜並木が木陰を作っている。春はさぞ奇麗だろうと想像しながら進むと、野口選手の記念碑の前に出た。小さな足型を見て、この足でアテネを駆け抜けたのかと感心する。
  その後ろには市営球場。高校球児が甲子園を目指し熱戦を繰り広げる場だ。この日は三重生涯(還暦)野球連盟のリーグ戦で、60歳以上の選手が白球を追っていた。
  再び歩き出すと、赤い旗が並んでいる。「松尾観音寺」だ。突き当たりを左折すると、石段の上に境内が見えた。
  約1300年前、行基によって開かれた寺で、既成宗派に属さない特異な形態。日本最古の厄除観音としても知られ、8月9日には大数珠繰り法要が行われる。本堂には祈願成就のお礼に奉納された、古くは江戸時代の極彩絵の絵馬がズラリ。隆誠住職(34)から、本堂裏の二ツ池に住んでいたという雌雄の竜の伝説を聞かせていただく。これにちなみ、除災、縁結びにご利益があるそうだ。
  寺を後にし、国道23号に出た。日陰もなく、少し疲れを感じ始めた時、和菓子店の大きな看板が目に入った。「利休氷」の張り紙を見て、思わず店内へ。ふわふわの氷の中にうずら豆の煮くずしあん。添えられた抹茶の蜜をたっぷり掛ける。程よい甘さと冷たい氷が疲れを溶かしていく。生き返ったと思いつつ、野口選手はこんな寄り道はしなかっただろうなと苦笑しながら、今日のゴールである五十鈴ヶ丘駅に向った。