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Home > ローカルみえバックナンバー > 2004.4.22 > 1面
 
※掲載内容は取材時によるものです。詳細は各施設、店舗にお問い合せ下さい。

【1面】

交通弱者のための新バス誕生
津市
行政・企業・市民が一丸
「ぐるっと・つーバス」に期待集まる

 高齢者など車の運転できない”交通弱者“のための新たな移動手段の創出を目的に、「NPOバスネット津」(福本吉光代表)などが、今年3月1日から巡回バス「ぐるっと・つーバス」を運行開始した。4月1日から運賃を一律100円に設定し、同月15日現在までは1日平均約70人の乗客があり、病院やスーパーを利用する人たちに多大な恩恵をもたらしている。乗客から得たアンケートには「市街地だけでなく、郊外地にも」などの意見が寄せられ、同バスに対する利用客の期待の高さがうかがえる。採算とこれら要望とのバランスを上手く取りながら、住民の望む新たなサービスの展開が期待されている。

津市役所前で乗客を乗せる「ぐるっと・つーバス」

 今から3年ほど前、三重交通OBの福本さんが知人の竹田治さんらとともに、車偏重の交通社会の見直しや津の市街地の活性化をバスで図れないかと、あれこれ方策を練っていた。
 その考えを年金者組合に話したところ、「足が無く、スーパーや病院に行くだけでも一苦労しているので、とてもありがたい」と多くの高齢者から賛同を得た。

運転手の松本勝さん

 それを受けて福本さんたちは、県内各地で様々な役割を担ってきたコミュニティバスに着目。「高齢者や身体障害者など”交通弱者“の外出支援」を主目的に切り替えた。そして、運行の実現に向けて、老人会や自治会への署名集めを開始した。
 1万人分集められた署名が、三重交通や市を突き動かした。運行開始までに20回近く勉強会を開催。同社社員や市の職員だけでなく、商工会議所内の第3セクター「つむじ風」や、同市丸之内商店街振興組合の人たちも話し合いに参加。採算面や路線、バス停などについて慎重に協議を重ね、徐々に具体化させていった。
 市の直営や第3セクターなど運営方法も様々にある中で、福本さんたちは自ら新たに組織を設立して運営する道を選択。法人化を目指し現在申請中の同NPOが運営し、同社が運行、市が補助と三者がそれぞれの役割を取り決め、3月1日から運行を開始した。
 運行時間は平日午前8時30分過ぎから午後5時30分頃まで。津市役所を起点に三重会館やだいたて・丸之内商店街、津観音、津新町駅など市内中心部約8・4キロメートルを巡回。1周約45分のペースで、1時間後には同じ路線を再び走行する。
 試行運転期間と位置付けた3月の1カ月間は、乗客数などを探るべく運賃を無料に設定。1日平均約150人と快調な滑り出しを見せた。4月1日からは運賃を現在の100円に再設定し、乗客である市民がこれを負担。
 同月15日現在までの1日平均で約70人に乗客数が減少したものの、依然として病院やスーパーを利用する人たちの大きな支えになっている。路線上の近隣のスーパーや病院、商店街などの協賛や市から得た補助も合わせて、採算の見通しも立てた。

福本さん(左)と竹田さん

 1乗車100円の低運賃と、医療機関や商店街、スーパー、駅などを結ぶ”生活ライン“として機能する点が同バスの一番の特徴。これまで移動手段に乏しかった、高齢者を中心とした交通弱者の利用が高まっている。
 ”市役所前“から”三重会館西“までの区間で同バスを利用した、同市栗真小川町の三宅和子さん(73)は、「噂を聞いて初めて乗りました。最近足が不自由で、これまで病院までの徒歩の往復に苦労していましたが、これからはバスで手軽に行けてとても嬉しい」と顔をほころばせた。
 また同バス運転手の松本勝さん=写真右=も、「利用者の大半は年配の方。低料金で病院などに行ける点が皆さんのニーズに合致し、評判を呼んでいるのでは」。
 「皆さんの積極的な利用が、同バス運行の支えになります」と、竹田さんはバスの利用を呼びかける。また、「バスに乗られた多くの方に聞き取りを行った結果、『市街地だけでなく郊外にも』『もっと増発を』『路線内に停留所を増やして』などの意見をよく耳にした。採算面も考慮しながら、増発や新たな路線の開拓など、皆さんの要望に前向きに検討していきたい」と話す。
 幅広い声に応えられるかどうかは、現状を見る限り未知数。しかし、住民の声に広く耳を傾けてくれるバスとして、今後も大きな期待を一身に背負うこととなるだろう。



21世紀の新しい美術環境を
「アートフォーラム三重2004in松阪」

昨年行われた同展会場内でのパフォーマンス

 三重在住、または三重にゆかりのあるアーティスト有志による団体「アートフォーラム三重」(八島正明代表)の3回目となる展覧会が今月25日から、松阪市外五曲町の松阪市文化財センターで開催される。5月2日まで。入場無料。
 今年で発足4年目となる同団体。「21世紀の新しい美術芸術環境を創り出す」をテーマに、57人の会員の平面と立体作品の発表を行っており、他にも活動として市町村施設などに加盟作家の作品を廉価または無料で貸し出す「アートリース」などの新しい美術環境の提言も行っている。

昨年の会場の様子1
昨年の会場の様子2

 今回の展覧会では、来場者に出品作家の作品を各1人にプレゼントする抽選会(5月1日締め切り、当日午後1時から抽選会)や、流木やペットボトルなどのリサイクル素材を使った鉢に、ひまわりの苗を植えるワークショップ「エコアートひまわり」(4月29日開催、小学生以上参加無料)などのイベントが開催される。

昨年のパフォーマンス2

 今回の展覧会の実行委員長で加盟作家の倉岡雅さんは「音楽と違い、美術はまだ閉鎖的なイメージがありますが、それを払拭するためオークションやアートリースなど、『作家と観る側の人が一体となるような』身近で親しみやすい活動も併せて行ってきました。イラク問題で世界情勢が悪化していることなど”何が起こっても不思議ではない“昨今、『美術作家として何ができるのか』を作家にも観る側にも問いかけるメッセージを込め、今回はサブタイトルを『不穏の時代の探しもの』としました。ただ、決して悲観的になるのではなく、不穏を乗り越え、ポジティブに強く生きていく力が、現代美術を創造する各作家の作品ににじみ出ていることを感じていただければ」と語る。
 開催初日のオープニングセレモニーでは、出品作家自身が語るギャラリートークが開催される。期間中の開催時間は午前9時から午後5時まで(最終日は正午まで)。4月26日と30日は閉館。
 同展についての問い合わせは同フォーラム事務局=電話0596(55)3510、または松阪市文化財センター=電話0598(26)7330=まで。アートフォーラム三重のホームページはhttp://www.afmie.net/



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