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休耕田など放置された農地の保全を通じて村の活性化をめざす、度会郡大内山村の住民グループ「膳」(小倉公守代表)は、昨年から始めた「マコモ」の栽培を今年も行う。マコモは高さ2メートルにまで成長するイネ科の植物で、やわらかくふくらんだ茎の部分が食用とされている。来月からの植え付けを前に、一緒にマコモを育ててくれる参加者(会員)を募集している。
河川改修や生活環境の変化で、身近にあったその姿を見る機会もぐんと減ってしまったが、「マコモ」は沼や川に群生するヨシやガマと同じ抽水植物で、稲作が伝来する弥生時代までは、その実(ワイルドライス)は食糧とされてきた。現在、国内ではマコモはその茎の部分が食用とされていて、タケノコに似たふくらみを持つ乳白色の茎は柔らかく、その淡白な味は、料亭や中華料理店で高級食材として利用されている。
また、最近ではマコモが持つ強力な解毒作用や血液を浄化して免疫力を高める働きが注目されて、研究も進んでいる。河川や湖沼の水質浄化作用もあることから、ラムサール条約で指定されている宮城県の伊豆沼・内沼などでは、マコモを使った水質浄化事業も行われている。
これらマコモが持つ効用に着目したのが、大内山村で農業を通した村の活性化をめざしている地元の有志で作るグループ「膳」代表の小倉さん。
会社役員だった小倉さんは、地元に貢献できることがしたいと5年前に退社。離農で荒れ放題の休耕田が目立つ村内の有り様を見て、「なんとかして“活きた”農地にしたい」と決意、仲間を募り「膳」を結成した。地主から休耕田を借り受け、トラクターを調達。耕作可能にまで復元した農地で、まずは蕎麦の栽培を始めた。しかし、蕎麦は風雨など天候に左右されやすく収穫が不安定なことを知る。その頃、三重県中央農業改良普及センターでマコモのことを知り、すでにマコモ栽培をしていた宮川村の前田節生さんに便宜を図ってもらい、マコモの苗を入手。大内山村米ヶ谷の休耕田1500平方・で、同センター技術員の指導の下、無農薬の有機栽培を行った。冷夏の影響で収穫量は50キログラムと少なかったが、通常なら1000平方・当たり400〜1000キログラムは見込めるという。
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収穫したマコモは関係者で分け合い、各家庭で野菜炒めやてんぷらで調理、試食した。「タケノコとヤマイモを掛け合わせたようなシャキシャキとした歯ざわりで、ほんのり甘みがあります。炒めものに合いますが、皮が付いたまま素焼きにしたものに辛みそをつけて食べるのも美味しい」と小倉さん。収穫の一部は京都の食材販売会社に卸したり、四日市や名古屋の百貨店の地下食品売場でも販売された。「丈夫で栽培が簡単なのもマコモの特徴のひとつ。販売先の確保もしながら、徐々に作付け面積を増やし、休耕田や転作にマコモを活用していきたい」と抱負を語る小倉さん。
大内山村やグループ「膳」では、マコモの栽培を通じて農業体験をしてもらおうと、5月から10月までの期間に一緒に作業をしてくれる会員を募集している。参加費は1000円程度。問い合わせは、宮川流域ルネッサンス協議会事務局=電話0596(27)5411、Eメールnmiyare@pref.mie.jp=まで。
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