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Home > ローカルみえバックナンバー > 2004.2.26> 4.5面
 
※掲載内容は取材時によるものです。詳細は各施設、店舗にお問い合せ下さい。

【4.5面】

【特集】料理をもっとおいしく! 蔵から生まれる郷土の味

 毎日の料理に欠かすことのできない調味料。中でも醤油、味噌、食酢の発酵食品は、お酒とともに数千年という長い食文化の歴史を歩んできた私たちの大切なパートナー。そして、その味はその土地の気候風土、産物、嗜好性が大きく反映する実に多彩なものでもあります。江戸、明治の頃より代々続く県下の老舗蔵元を訪ね、個性あふれる美味(うま)し逸品の魅力に迫ってみました。

お箸で“はさめない”一品料理
島ヶ原村・福岡醤油店


福岡醤油店

 休日ともなると県内はもちろん、大阪、京都、奈良、名古屋、岐阜などからマイカーで訪れる人が絶えない、阿山郡島ヶ原村の「福岡醤油店」。目当てはもちろん同店のブランド「はさめず醤油」。そして今なお現役の古色蒼然たる醸造蔵の見学だ。壁の厚さが50aもある麹室で手間を惜しまず作られた国産大豆100%の麹を、10年以上かけて湧出した地下水で割った塩水と一緒に明治時代の杉樽の中へ。そこで1年半から2年寝かせて熟成させた諸味を、これまた明治の創業時のまま残るキリン圧搾機で自然の圧力をかけて搾り、生醤油にしていく。作業はどの工程をとっても明治時代のそれと変わらない。杉や松で建てられた築100年以上の蔵には酵母菌が長年棲みついていて、それが美味しい醤油を生む理由のひとつにもなっている。平成10年には醸造蔵とキリン圧搾機が文化庁登録有形文化財に指定されている。

キリン圧搾機の前に立つ川向社長

 ところで「はさめず醤油」とは、実に変わった名前だがこれは代表の川向友宏さんが、昭和40年に登録商標にしたもの。「料理はお箸で挟んでいただきますが、液体は挟んで食べることができない。副食として醤油を用いた昔の人は、お箸で挟むことができないところから、醤油のことを“はさめず”といったそうです」と説明してくれた川向さん。

はさめず

 醤油は定番品の濃口、薄口、溜りの3種類。値段はどれも1・8gが1500円、900_gが800円。
 同蔵の見学を希望する人は事前に予約を。

◆阿山郡島ヶ原村1330
рO595(59)3121
HP http://www1.ocn.ne.jp/~maruchou/








味も香りもまろやかな食酢
津市・ヤマニ造酢


「ヤマニ造酢」(岩橋弘善社長)

  津市阿漕の「ヤマニ造酢」(岩橋弘善社長)は三重県でも数少ない食酢専門の醸造会社。
創業は明治20年。無類の酒好きで知られた初代の武吉さんが、行きつけの店主から「飲んでばかりいないでこれで酢でも造り、商売でもしたらどうだい」と酒粕をもらったのが始まり。自宅の敷地に工場を建て、造った食酢はリヤカーを引いて売り歩いたという。その後、津市岩田町から現在の阿漕町に移り、事業を拡大していった。

ヤマニ造酢の商品

 「米酢、果実酢など違い、酒粕酢には、ツーンとする酢特有のきつい香りがなく、まろやかな感じに仕上がるのが特徴です」と語るのは、専務の岩橋邦晃さん。同社では酒粕酢、醸造酢、米酢、果実酢などを用途に応じて醸造している。家庭向けには15種類、業務用になるとその数はぐんと増える。「料亭、寿司店、中華料理や給食、社内食堂など、県内のお客様の中には、オリジナルレシピを求める方も大勢います。それぞれの要望に応えた専用の食酢を造っています」と邦晃さん。大手の醸造メーカーにはない、小回りの利く製造体制は同社の売りでもある。

静置発酵桶が並ぶ蔵の中

 また、創業当時から続けているのが「清置発酵」という製造方法。発酵桶を攪拌して強制的に発酵させるのでなく、静置して時間をかけて自然に発酵させるので味に深みが増し、まろやかな酢になっていく。
 料理以外にも健康食品として醸造しているのが「デーツ酢」(500_g2000円)。これは中東に自生するナツメヤシが原料の食酢で、牛乳やミネラルウォーターで割って飲んだりすると美味しい。アミノ酸やミネラルを豊富に含む黒酢と大豆を合わせた自然食品「大豆のくろず漬」(640円)も体にいいと好評の一品。

◆津市阿漕町2476
рO59(225)2321
HP http://www.yamani-vinegar.com


まろやかな味わいの味噌
久居市・辻岡醸造

味噌樽

 久居市戸木の国道165号を南に入った旧道沿いにひっそりとたたずむ「辻岡醸造」(辻岡高明代表)は、屋号や看板を一切掲げない、民家と間違えて通り過ぎてしまうような醸造元。しかし、美味しいと評判の味噌を求めて最近は、名古屋など遠方から訪ねてくる人も増えてきている。創業は明和2年(1765)と古く、230年近くにわたり、地元の味噌・醤油蔵として親しまれてきた。「地元の人は辻岡醸造とか商店でなく“味噌伝”と呼んでいます」と説明をしてくれた現会長の7代目辻岡伝治さん。同蔵元は代々「伝治」を襲名。“味噌伝”の呼び名はここに由来している。

「辻岡醸造」

 長い歴史を刻んできた辻岡醸造に大変革を起こしたのは、この7代目伝治さんだ。「もっと健康によい本物志向の美味しい味噌、醤油をつくりたい」との強い思いがあった伝治さんは、昭和60年、仕込み水に除菌効果のある電子処理を施したイオン水を使用。大豆も富山県産の有機栽培ものを使い始め、塩も愛媛の伯方の塩を採り入れた。醸造蔵や母屋など敷地の各所には備長炭の粉を敷き詰めた。

今ではめずらしくなった量り売りもしている

 当初は、味の変わった味噌・醤油になじめなかった地元の人たちも、次第に甘くそのまろやか味と風味になじむようになった。健康志向や本物志向が定着した 現在では、地元はもちろん、評判を聞きつけ大阪、名古屋、岐阜などからも迷いながらも買い求めにくるお客もいる。同蔵では今ではめずらしくなった量り売りもしている=写真右下=。麹の風味豊かな「都の香り」は1`c1000円。「赤だし」は1`c600円。醤油「お蔵だより」は720_g980円(1・8g2080円)。
 1月〜3月までの期間限定の「伊勢のゆべし」(1個750円)は、高知産の柚子の実をくりぬいたものに、クルミ、ピーナッツ、胡麻を赤味噌と一緒に詰め込み3カ月間自然乾燥させた郷土の珍味で同蔵元の隠れた人気商品。
◆久居市戸木町2022
рO59(255)2201





ひな祭りにちなんだ
”春の限定会席“登場
料亭 平次

”春の限定会席“

 津市西丸之内の料亭「平次」が3月2日から13日までの期間限定で、ひな祭りにちなんだ春の特別会席料理を始める。たけのこ、菜の花、たらの芽、わらびや鰆(さわら)、鯛、白魚など春の香りいっぱいの山菜や旬の魚を使った献立を、やはり春の装いに彩られた愛らしい器で提供する。
 料金(税別)は雛の膳5000円、弥生膳7000円。昼は正午から。夜は午後6時から。料理は2人以上から応じる。前日までに要予約。問い合わせは平次=電話059(227)6265、またはEメールheiji@jasmine.ocn.ne.jp=まで。



【こんにちはASAです】
一 志 販 売 店

一 志 販 売 店

 東西に雲出川が流れ、両側にのどかな田畑が広がる一志町田尻。ここに根を下ろす「ASA一志店」は、所長の岩崎進さん(47)=写真右、すま子さんの明るく仲睦まじい夫妻を中心に、スタッフと16人もいる配達アルバイトが囲む、和気あいあいとした雰囲気が特徴の販売店。
 今年で設立5周年を迎える同店は一志町全域をカバー。業務は多岐にわたり、朝刊・夕刊の配達や集金、区域管理、新聞拡張など。要望があれば古紙回収にもバイクで駆けつける。
 また、朝刊を配る時には、火事や救急人などの発見や、防犯にも常に心がける。岩崎さんは「朝刊を配る朝早い時間帯には、出歩く人も極端に少ないことから、不審者はすぐに分かります。日常業務以外にも、まちの防犯にも携わっているという意識が、スタッフ全員に芽生えてきたように感じます」と話す。
 「配達の男の子に、お盆と正月になるといつもお小遣いを下さる心優しいお婆ちゃんの話や、軒先に『いつも配達ご苦労様です』と書かれた張り紙を見聞きすると、配達冥利に尽きる思いになります」と、岩崎さんは笑顔を浮かべた。
 店の1階には『一生懸命』の言葉が掲げられている。全力で物事に取り組む、という意味の他に、その土地を守り生きていく『一所懸命』の意味も込められる。「一志町という土地に根付いたのも何かの縁。これからもスタッフたちと協力し合って、地域の皆さんの様々なニーズに応えていきたいです」と岩崎さん。



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