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空気の澄んだ冬空に優雅に飛ぶ姿を見ていると、晴れやかな気持ちになってくる。遊びとして古くから伝わり、冬の風物詩にもなっていた凧揚げだが、子供たちが凧揚げに興じている姿を最近はすっかりみなくなってしまった。連綿とした系譜を現代に伝える根強い愛好家たちや、凧の作り方を取材した。
地域のふれあい目指して
松阪市西黒部町民凧揚げ大会
「年配者から子供までの広い世代間の交流や地域のふれあい、昔の遊びの凧を現代の子供たちに伝える」ことを目的とした「西黒部町民凧揚げ大会」(松阪市西黒部地区自治連合会)が31日午前10時から、同市高須新田櫛田川河川敷のグライダー滑走場で開かれる。同大会は今年で9回目。
種目は「小学生」、「個人・団体」、「町別対抗」の3部門。昨年12月に西黒部公民館で開かれた「凧づくり教室」で作った色とりどり、大小様々な凧を手に携えた子供たちや愛好家などで、例年賑わいを見せる。町外の人の当日参加も可能。参加費無料で、各自凧を準備し、持参することが前提。
「町別対抗の部」では西黒部町、高須町、松名瀬町の3町の各自治会の有志たちによる手作り大凧が空を舞う。凧の大きさや形、図柄などのデザインだけでなく、飛行状態でポイントが付けられ、毎年各町がしのぎを削りあってきた。
今月6日には西黒部町自治会の人たち=写真上=によって、同町の休耕田で手作り凧の“初飛行”が行われた。参加したのは50、60代の男性10人余り。干支の猿が描かれた2畳半ほどもある大凧は、ほどよい風が助力となり、空高く舞い上がった。凧が元気良く“泳ぎ回る”姿に、歓声や笑顔があちこちでもれた。
凧揚げに参加した同館館長の山本坦さんは「その日の風力に応じて、手放す時の角度やおもしの尻尾の長さを変えるなど、試行錯誤の繰り返しです。難しい反面、そこがとても面白い。大会当日も良い天気と風に恵まれるよう祈っています」と笑顔で語る。
また、当日は明和町の「北野凧の会」の特別出演のほか、豚汁や甘酒の振る舞いなどを行う。悪天候時には翌日の2月1日に順延となる。問い合わせは同館=電話0598(52)0020=まで。
飛行機凧などを自宅で展示
東員町の山添さん
東員町城山2丁目の山添勇さん(69)は、13年前から趣味で作りためた飛行機凧や飾り凧、江戸凧、家紋凧などを展示する「瀧浪工房」を自宅で開き、「桑員まちかど博物館」にも登録されている。
15年前に伊勢市から同地に引越した山添さん。「東京の浅草で初めて江戸凧に出会い魅了され、凧作りを始めた。「昭和初期の子供のころに伊勢山田で流行し、親に買ってもらえなかった飛行機凧。後継者も絶えてしまい、自ら復元しようと思い立ったことも、始めた動機の一つです」と山添さんは語る。
家の中には飛行機凧をはじめ、和凧や小さな連凧、パネルに貼った2000点もの家紋凧などが、所狭しと飾られている。材料の竹ひごを自宅周辺の竹林から切り出すほか、日本全国の様々な凧の再現のために資料収集するなど、勉強意欲旺盛だ。
「これからもどんどん作っていきたいが、これまでに作り過ぎてしまい飾る場所が無いのが一番の難点。自分の作った凧を見て喜んでもらえるのが何よりも嬉しく、励みになります」と山添さんは笑顔を向けた。
問い合わせは山添さん=電話0594(76)0316=まで。
作ってみよう!!
山添さんに一般的な角凧(江戸凧)の作り方を教わった。
【材料】
・和紙(無ければ障子紙やビニールを代用しても構わない)
・竹ひご…縦用(5本)・横用(5本)・斜め用(2本)
・半紙
・凧糸(反り糸と糸目糸と凧揚げ用の糸)
【作り方】
1. 寸法を取った紙に好きな絵を書く。
2. 紙に合わせて縦、横、斜めの竹ひごをそれぞれ正確な長さに切り揃える。
3. 細長く裂いた半紙に糊付し、竹ひごの周りにくまなく巻きつける。
4. 3を1に縦、横、斜めの順で〈図(左図参照)〉に倣った通りに貼り付ける。
5. 4の四辺に少し切れ込みを入れ、折り返して糊付けする。
6. 反り糸を横の竹ひごに巻き付け、凧の表側を反らせる。
7. 針に通した糸目糸を各竹ひごの交わる個所〈図・印(左図参照)〉に結び付け、全ての糸目糸がピンと張るところで一カ所にまとめ、凧揚げ用の凧糸と結びつける。
8. 安定をよくするために半紙の尻尾を付ける。
世界の凧がズラリ!
津市の坂井田さん
津市船頭町の坂井田茂さん(50)は、25年ほど前から世界各国を旅して集めた、1500点を超える彩り豊かな凧を自宅に飾っている。
現在同市の西橋内中学校の教頭を務める坂井田さん。学校の授業で凧揚げを行い魅力的な遊びと感じ、教材として自ら研究を深めていったことがきっかけ。その後凧作りや凧揚げも盛んに行っていたが、次第に世界各国に昔から伝わる凧を見てみたいと思い、収集に乗り出した。
「世界の凧資料館」と名付けた自宅の二間には、これまでに訪問した中国やインド、アルゼンチン、ブラジル、ブルネイなど67カ国のうちの57カ国の凧、約1500点が所蔵されている。赤やピンク、青などの派手な色遣いの凧や、蝶や鳥、六角形、八角形、星型など形も様々。ありあわせの棒や植物の茎、布、ゴミ袋、木の皮などが材料に用いられているものもある。
坂井田さんは「国によってはあても無く探し回り、ようやく見つけることも多い。ブエノスアイレスを訪れた時には、空港から高速道路でホテルに向かう途中に偶然凧揚げを見かけ、ホテルから引き返しました。また、その日は凧屋さんが唯一開かれる日曜日でもあり、運に恵まれました」とこれまでの思い出を語る。
「凧揚げは気候に関わらないあらゆる国の子供の遊びの原点だと思います。まだ世界の3分の2の国は行ったことがないので、今後の目標にしたい」と笑顔で語る坂井田さん。他にも世界各国だけでなく日本全国の凧も飾られている。
同館は見学可能だが、電話で事前申し込みが必要。問い合わせは坂井田さん=059(226)4820=まで。
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