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徳川家康の“伊賀越え”で知られる御斉峠を西北に望む高台に建つ「中井酒造場」(中井仁平代表・上野市西大手町3721)は明治30年の創業。当初は米焼酎の製造をしていて、それがみりんに変わり、大正時代から清酒造りに専念するようになった。
代表銘柄は「三重錦」で吟醸、普通酒など含め11種類。商品名は従来造ってきた焼酎、みりん、清酒の三つから、また三重を代表する酒にとの思いを込めて、そして「錦」が三つ重なり縁起がよいことなどから命名した。
同蔵の特筆すべきことは年間の製造数が60石を前後する極小生産であること。一升瓶にして約6000本しか造らない。「うちはコクのある濃醇な酒が売り。濃味の食事にも負けないので、一緒にたしなんでもらえれば」と専務で次期4代目の中井昌平さん(32)。端麗辛口な清酒が流行りの昨今、糖化とタンパク質分解の力が強く濃醇酒に適する総破精(そうはぜ=米の表面全部と内部に麹菌糸が食い込んでいる状態)の麹での酒造りにこだわっている酒蔵はめずらしい。
原料米には吟醸酒など一部に山田錦(伊賀産)や五百万石を使用しているが、大半に広島県の八反錦を使用。仕込み水は伊賀地域の北部を流れる柘植川の伏流水。仕込みは3年間、越後杜氏について酒造りを学んだ昌平さんが去年から任されている。
おすすめは「純米しぼりたて」(1・8g2350円、900_g1230円)。搾ったばかりの生原酒を瓶詰めしたもので瓶内発酵が特徴の酒。フレッシュ感と微炭酸の爽快感が楽しめる。2月下旬には昨年末に引き続き、当日の朝に搾った「今朝しぼり」(1・8g2500円、900_g1350円)を限定販売(要予約)する予定だ。鑑評会用の吟醸酒を吊るした酒袋に入れ、圧力をかけずに自然の力で垂れてきた酒の雫を瓶詰めした高級酒「斗瓶取り純米吟醸」(要予約)、平成2年醸造の古酒「百代の過客」も人気がある。
「三重錦」は同蔵の酒店=電話0595(21)0010=の他、四日市市生桑の小林商店=電話0593(33)5800=や鈴鹿市神戸の安田酒店=電話0593(82)0205=でも取り扱っている。
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