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短かった夏が終わり、あたりは早、秋の気配。さあ、実りの秋だ。野山や畑に果実がいっぱいのうれしい季節。中でも秋の代表的な果実は栗だろう。見るからに痛そうなイガグリがはじけ、固い皮に包まれた茶色い実が顔を出す。やがてポロリと地面に落ちる。その情景はまさに秋そのもの。
栗といえば昔、里山の雑木林に自生の山栗が生えていて、家族で栗狩りに行ったものだ。最近は雑木林が少なくなり、山栗もほとんどなくなってしまった。実に味気ない。
しかし、その一方、畑で手塩をかけて栽培している栗農園もあり、実が大きく美味しい栗が多くなってきた。安定して収穫できることから、栗を使ったお菓子や料理の種類もたくさん見られる。その気になれば一年中味わえるが、やはり旬に入るこれからが一番美味しい季節だ。
県内唯一の栗狩り農園
白山町の「岩脇観光栗農園」
県内で唯一、栗狩りができる一志郡白山町南家城の岩脇観光栗農園(岩脇恒夫代表)では、緑色のイガグリが十数・の大きさになっており、9月初旬にはイガグリがはじけて茶色く熟した実が顔を出し、栗狩りが楽しめる。
同園は岩脇さんが平成2年に広さ3000平方rの栗畑を父親から引き継ぎ、きゅう肥などで土壌改良するとともに、本業の測量の技術を使って水田に排水工事を施して栗を植裁。今では約1万5000平方・の広さの同園には人丸、国見、石槌など7種類の栗の木が700本植わっている。
栗の木の下にイタリアンライグラスを植えて刈り取る草生栽培や、別の場所で育てた草も肥料として投入、胆念に育て上げた栗園を平成8年に観光農園としてオープンさせた。
入園料は平日1300円、土日祝日1500円(栗1・・土産付き、ゆで栗食べ放題)。問い合わせは同園=電話059(262)3201=まで。
【写真キャプション】栗農園内。木の下には栗がいっぱい落ちている
細やかな仕上げのモンブラン
松阪の「あかしや洋菓子店」
すべてに目が届くようにと職人は雇わず、店主の明石克己さん一人で材料の吟味から仕上げまで行い、きめ細やかな手作り菓子で知られる松阪市小黒田町の「あかしや洋菓子店」では、栗のお菓子の定番といえる「モンブラン」(280円)が秋の人気商品。
アーモンドのロールケーキに、生クリームで練り上げた栗あんを糸のように細く絞りながらぐるぐると渦巻き状に積み上げ、その上に栗の渋皮煮とホワイトチョコレートを飾ったモンブラン。シンプルだがアーモンドケーキの歯触り、生クリームと栗あんのバランスがすばらしい。
また、秋に入ると渋皮煮の栗をアーモンドクリームとパイで包んで焼いた「マロンパイ」も作り始める。店主の明石さんは「数は多く作れませんが、一つ一つ真心を込めて作っています」と話している。
同店ではこのほか発酵バターを使ったシュー皮と天然のバニラビーンズを用いたシュークリーム(130円)、上品なチョコレート味のクグロフ(1000円)、カボチャプリン(260円)などが人気商品。
営業時間は午前10時から午後7時半。定休日は水曜。問い合わせは同店=電話0598(26)3695=まで。インターネットのホームページアドレスは
http://member.nifty.ne.jp/akashiya/
【写真キャプション】
美味しそうなモンブラン。職人技が光る逸品だ
特大栗を使った「栗パイ」
鈴鹿の仏菓子店「ミルク」
シーズンになると岩脇観光栗農園の栗を使ってタルト、パイ、モンブランを作っているのは鈴鹿市南玉垣町のフランス菓子店「ミルク」(中野強社長)。
「栗のパイ」は、18年前に一人で同店を開いた中野雅代さんが「日本一大きい」という岩脇観光栗農園の栗を渋皮が付いたままクリームで包み、さらにその上をパイ皮で包んで焼き上げたシーズン限定の人気商品になっている。1個260円。
また、「栗のタルト」(350円)は、栗とアーモンドとバターを程良く混ぜて焼いた台に、栗と生クリームを練って乗せたもので、栗とアーモンドとバターの調和がすばらしい。モンブラン(350円)もこの時期には、同農園の栗を使っている。
大きなシュークリーム「シュー・アン・シュープリーズ」(350円)で知られる同店だが、栗のシーズンになると「栗の皮むきで腕が腱鞘炎になるくらい」(雅代さん)というほど、栗の菓子に人気が集中する。
営業時間は午前9時から午後6時、定休日は月曜。問い合わせは同店=電話0593(83)0025=まで。
【写真キャプション】
絶品!岩脇観光栗農園の栗を使ったタルト
「栗とエビのまんじゅう」
松阪の日本料理店「水桝」
栗は、栗ご飯をはじめ多くの料理にも使われる。「その季節の一番よい材料を選んでメニューを決める」という松阪市愛宕町の日本料理店「水桝(みます)」(野村謙己さん経営)では、栗の季節には「栗ご飯」や「栗とエビのまんじゅう」、「渋皮栗のアイスクリーム」などをコース料理の一品として作ることが多い。
この中で、「栗とエビのまんじゅう」は、栗の甘みと渋みを生かしながらエビの味と調和させた逸品。作り方は、栗に昆布だしと少量の塩を入れて練り上げ、エビあんで包んで薄い葛あんをかけ、ワサビを上に乗せる。
また、デザートに出す「渋皮栗のアイスクリーム」は、色はきれいではないがほどよい渋みと甘みでコクのある味が特徴。渋皮を付けたまま煮て、卵黄、牛乳、生クリームなどを混ぜてアイスにする。
栗ご飯は、昆布だしと少量のお酒と塩、大きめに切った栗を入れて炊き上げるが、栗の色と味を良くするには、栗を別に蒸してご飯が炊き上がって蒸らす前に入れることもある。
栗料理を作るのはもう少し先になるが、同店のコース料理は4000円から味わえる。営業時間は、午後5時から午後10時ごろ。定休日は水曜。問い合わせは同店=電話0598(21)9945=まで。
【写真キャプション】
見事な味のハーモニー。栗とエビのまんじゅう
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