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Home > ローカルみえバックナンバー > 2003.8.14 > 1面
 
※掲載内容は取材時によるものです。詳細は各施設、店舗にお問い合せ下さい。

【1面】

商店街を福祉で支援
「高柳ケアセンター」がオープン
伊勢市の高柳商店街

 地方都市では郊外型の大型店舗などの出店が相次ぐなどして、商店街の衰退が叫ばれて久しい。県内も例外ではなく、多くの商店街が頭を悩ませている。そんな中、高齢化と空洞化の進む伊勢市高柳商店街に、福祉と介護の観点から商店街を活性化させようと「高柳ケアセンター」が先月オープンした。

職員と昼食をとるお年寄りたち

 現在、伊勢市内の商店街近隣地区は、住民の65歳以上の高齢率が30%を超えている。全国平均が20%であることを考えると、非常に高い数値だ。高齢者にとって商店街は生活必需品の供給の場であるが、商店主自体が高齢化しているのも現状だ。その対策として、同商店街振興組合は市の「中心商店街テナント確保支援事業」の支援を受け、同市で訪問介護事業を行う株式会社「森伸」の整備による「高柳ケアセンター」を作った。
 同商店街振興組合の橘正志理事長(51)は「よく、どこの商店街も『何をすれば活性化につながるのか分からない』という意見を聞きます。私たち組合では、伊勢という地域の歴史と特色を考え、昨年から『たかやなぎ商店街まるごと博物館』として、商店街の店一軒一軒に、その店に因んだ展示を行っています。それに続き、今回、深刻な高齢化への対策としてケアセンターも完成しました。商店街に買い物に来てくれたお客様と商店主の憩いの場として機能してほしい」と語る。

最新の入浴設備


 空き店舗を改装した同センターには現在、商店街を中心に20〜30人が利用している。利用者はケアセンター職員により、商店街での買い物等の同行外出、個別入浴、リクリエーション、鍼灸・按摩などの支援を受けられる。設備も充実しており、車椅子のまま入浴できる浴室、ユニバーサルデザインを取り入れた椅子や机など、高齢者が安心して過ごせる設計となっている。
 「森伸」の森下真二代表取締役(36)は「正直、商店街への出店へは悩みました。何度もこの商店街に足を運び、振興組合の方々の話をうかがっているうちに、他にはない活性化への本気の熱意が伝わってきました。私共は高齢者・要介護者一人一人のライフスタイルを尊重した介護支援を行っています。『同情』ではなく『共感』できる介護をめざして、今後も地域福祉に貢献し『人に優しい商店街づくり』の一端を担っていきたいと思っています」と語る。
 その他、同商店街では空きテナントを利用したチャレンジショップやインターネットを利用したショッピングモールも計画している。問い合わせは同商店街振興組合事務所=電話0596(28)1101=まで。

【写真キャプション】
上:センターの前に立つ橘さん(中央)と森下さん(右)
中:職員と昼食をとるお年寄りたち
下:車椅子で利用できる最新の入浴設備



二見町の歴史的宿泊施設「賓日館」
修復し今秋オープンへ

 国の登録有形文化財になっている度会郡二見町の和風宿泊施設「賓日館(ひんじつかん)」の修復工事がこのほど始まり、今秋にオープンの見込みとなった。
 賓日館は、伊勢神宮の崇敬団体が貴賓接待の目的で明治20年に建造した2階建て延べ約1700平方・の木造建築物。明治11年に隣接していた旅館「二見館」が譲り受け、別館として利用。120畳の大広間を備えた風格のある同館は、二見の旅館のシンボル的存在だった。
 ところが平成 年に同館が閉館となり、その後の去就が案じられたため同町が平成14年度に所有者から土地を購入するとともに建物を譲り受け、15年度に傷んでいるところを修復している。
 同町のまちづくり活動は、町が平成10年に旅館街をモデル地区に歴史を生かした町づくりを提案。二見まちづくり検討会議が発足し、住民参加の町づくり機運が盛り上がった。しかしその矢先に、不況のあおりで二見館が閉館。これに危機感を感じた同検討会議メンバーや観光協会、旅館組合、町会議員、建築関係者などが「二見浦・賓日館の保存と活用を考える会」を立ち上げ、広く活動を開始した。
 まず、賓日館を広く知ってもらおうと平成13年9月9日に賓日館で菅原洋一三重大助教授の講演と同館当主の「賓日館を語る」集いを開催、約1500人が同館を訪れ、関心の高さを伺わせた。さらに同月14日には、黒坂黒太郎さんの「オカリナコンサート」を開催し、「この建物を残してほしい」という機運を盛り上げた。今年3月に「二見浦・賓日館の保存と活用を考える会」を「二見浦・賓日館の会」に改名、同7月にNPO法人の認可を得ている。
 同館の運営を行う「二見浦・賓日館の会」は、このほど一般から事務局長を募り、町内の林紀幸さん(63)に決まった。林さんは「これから勉強し、理事の方と相談しながら頑張ります」と抱負を語っている。
 同会副会長で賓日館の保存を熱心に訴えかけてきた伊勢市の建築家・高橋徹さん(55)は「皇太子時代の大正天皇をはじめ歴代諸皇族、各界要人の宿として親しまれ、伊勢志摩を代表する旅館として知られていた。その歴史性などから見ても有数の歴史的宿泊施設であり、建築的にも非常に価値あるもの」と話している。



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