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年越しそば”まであと1週間。この一年を振り返りながら食するそばは、美味しいものに越したことはない。ところで三重県でも手間と努力を惜しまず、そばの名産地に劣らないほど美味しいそばを育てている人たちがいる。全国のブランド農産物に負けまいと情熱を燃やし続ける農家、とことんそばを愛しこだわり続けるそば店主。2人による協働で「三重県産そば」の文化を花開かせようと努力を続けているところだ。
三重県は、そばよりもうどんの方が食生活の中心にくる関西の食文化圏。その中にあって四日市市西新地の「そば処 老梅菴」店主、堀木栄二さん(41)は、長年そばにこだわり続けている。うどんの方が商売になることは明白であったが、ずっとそばを愛し続けてここまで来た。最近は客層もうどんとそばが逆転し、毎日そば好きが通う店として繁盛している。
今、堀木さんの店で出しているそばは並、挽きぐるみの田舎そば、そして手挽きの3種類。すべてつなぎを使わない十割そばでもある。特に手挽きそばは、自分で石臼を挽いて、つなぎ無しでこねていくので体力がいる仕事になる。一度に数多くは作れないので、売り切れになることもしばしばという。これでも傍から見ると、かなりのこだわりように見えるが、まだあった。
そば粉である。北海道、常陸、信州といったいわゆる、そば名産地のブランド一辺倒でなく、県内産のそば粉を使っているのが大きな特色だ。店で使う量も年々増えてきている。
「自然農法で米や小麦、そばを作っている横山さんと知り合いになれたのは、自分にとっては大変大きい出来事。有機栽培のそば粉を作ってもらっています。会うたびに情熱のパワーをもらう、そんな人です」と堀木さん。
安濃町で専業農家を営む横山重治さん(57)が手塩にかけ育てた農産物は、常に高い評価があり、県外にも多くのファンを持っており、直販の他、自然食品店やホテルなどにも提供し喜ばれている。好奇心が旺盛で、安全で美味しい農産物を作ることに結びつくようなヒントを見つけたり、機会があると積極的に関わっていく行動派でもある。
二人が出会ったのは平成13年の初め。横山さんが代表を務める安濃町稲作経営者部会の研修の帰りに美味しいそば屋があると、メンバーと一緒に来店したのが最初。そばの作り方で横山さんが堀木さんに助言をしてもらったことがきっかけ。その後、横山さんもそばに今まで以上に関わることに。
その年の夏にはそばの愛好家が集まり、そばの種を蒔き、秋に収穫祭をした。昨年も同じようにそばづくりをして、今年は稲作部会の主催で「そば丸ごと体験」と銘打ち、そばづくりを広く一般募集した。8月初めの種蒔きの時には60人が参加。10月にそばの花見、11月には収穫、試食を体験。「来年もやってもらいたい」、「そば粉を分けてほしい」と大好評だった。
「優良な農作物を作っているという自信こそ新たな展開を生む原動力と思います。まずは消費者に理解してもらうことが一番大切なことでは」と堀木さん。
ここ数年、県内に手打ちのそば店が増えてきている。堀木さんのような熱心なそば打ち職人が増え、そのうち各地でそば粉が違う”ご当地そば”が出来れば面白い。
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