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香川県の「讃岐うどん」など、全国の”ご当地”うどんが今ブームになっている。三重県に代表されるうどんは「伊勢うどん」。その歴史は古く、江戸時代以前から伊勢地域の人たちが、味噌からできた「たまり醤油」をうどんに少しかけて食べていたのが発祥とされる。現在は、だし汁を加えて食べやすくしてあり、伊勢市内をはじめ、全国に浸透しつつあるうどんだ。そんな「伊勢うどん」の名店と製麺所を探ってみた。
大正時代から続く老舗
「ちとせ」
伊勢市岩渕にある「ちとせ」は大正時代に開店、「伊勢うどん」の看板を掲げた最初の店。先代がこの独特の見た目と味のうどんを、伊勢特有のものとして、他のうどんと区別するためだった。
柔らかめの真っ白い麺に、少し甘口のたれ(醤油)と、鰹のだし汁を合わせた同店の「伊勢うどん」は450円。真っ黒なだし汁の見た目ほど辛くなく、食べやすい。「永六輔さんなど、伊勢を訪れた芸能人が、このうどんの魅力に取り付かれ、何度も来店して下さる方もいます」と語るのは同店の岡部光子さん。伊勢うどん好きの”通“は、たれが飛ばないように器に口をなるべく近づけて食べ、残ったたれは”そば湯“ならぬ、うどんを煮た湯で割って食べるそうだ。この独特のたれはご飯にも良く合い、定食(700円)で注文するお客さんも多い。
伊勢市岩渕一丁目15―11
営業時間/10時〜19時
定休日/日曜
рO596(28)3879
大釜で茹でる昔ながらの自家製麺
「山口屋」
伊勢市宮後の「山口屋」は、今では珍しくなった自家製麺の伊勢うどんを出す店。早朝から、季節に応じて塩や水分を加減しながら打った麺は、五右衛門風呂のような大きな釜で1時間かけて茹でられる。たれもオリジナルのものを使用し、素材に鰹・鯖・煮干をメインとしたものを業者に注文する。
「『伊勢うどん』は言わば現代のファーストフード。昔から小腹が空いたらいつでも気軽に食べられていたものなんです」と語るのは同店の山口敦史さん(43)。コシのある讃岐うどんとは対極的な柔らかい麺に、コクのあるだしが絡むこのうどんは、素朴な郷土の味がする。
同店では観光客向けに、伊勢うどんに他の伊勢志摩の郷土料理「てこねすし」「さめのたれ」をセットにした「郷土食膳」(1200円)も販売。一度に郷土・伊勢志摩の味が楽しめる。
伊勢市宮後1丁目1―18
営業時間/10時〜19時
定休日/木曜
рO596(28)3856
ホームページ=http://www.iseudon.jp/
郷土の味を観光客に
「岡田屋」
伊勢神宮内宮前のおはらい町通りにあるのは「岡田屋」。連日、伊勢神宮を訪れる多くの観光客が立ち寄る店。
「『伊勢うどんってどんなうどん?』と初めて食べられる観光客が大半ですが、最近はこのうどんを目当てに来られる客も増えてきました」と語る同店の岡田佳代子さん。昔から伊勢で素うどんを注文すると、伊勢うどんが出てくるように、郷土食として定着しているが、全国的にも知名度は上がってきている。
伊勢うどんはそのもっちりとした麺に、濃厚なたれをよく混ぜてから食べる。同店では麺とたれがよく絡むように、たれは一晩寝かせてとろみがつけられている。また、一味唐辛子を入れると、まろやかなたれの味にピリッとした風味がひろがり、おいしい。
同店で初めて伊勢うどんを食べた観光客から「また食べてみたい」という問い合わせも多く、通信販売(たれ付3人前で1000円)も行っている。
伊勢市宇治今在家町31
営業時間/10時30分〜17時
定休日/木曜
рO596(22)4554
こだわりの伊勢うどんの麺づくり
「山口製麺」
昔は多くの伊勢うどんの店が、自家製の麺とたれで営業を行っていたが、現在では少なくなってきている。そんな伊勢うどんの店やスーパーなどに伊勢うどんの麺を製造し卸しているのが伊勢市大世古の「山口製麺」。
戦後間もない昭和23年から伊勢うどんの麺を製造している同社。昭和30年代に入って初めて「伊勢うどんの麺」をスーパーに卸し、少しずつ伊勢うどんの知名度が市内から県内、県内から全国に広がっていった。
伊勢うどんの麺は、たれとよく絡む柔らかい麺が求められ、麺の善し悪しがシンプルな伊勢うどんの味を大きく左右する。そのため同社では麺生地を一晩寝かせ、手作業で改めて生地をこねてから製麺する。「手作業を加えることにより、麺に艶が出ます」と同社代表取締役の山口貢民さん(62)。40分という長い茹で時間も伊勢うどんの麺ならではの特徴だ。
地元の人は工場に直接買いに来るほど人気の高い同社の麺も、全国に向け通販を行っている。
伊勢市大世古4丁目5―21
営業時間/9時〜16時
1月1日休み
ホームページ=http://www.ise-udon.net/
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