|
宿場町の古い町並みが今も残る関町は、二十一年前から町条例を制定して、家屋や寺社など伝統的建造物群の保存・修復に町を挙げて取り組んでいる。町営の資料館も設置して、広く歴史的な遺産を公開する事業などにも着手。同時に多くの町並み見学者を受け入れながら、歴史的な特性を生かした新しい町づくりを進めている。このほど江戸時代に旅籠だった長谷屋の修復も終え、所有者の意向で近く町内で初の私設資料館としてオープンする。往時の看板や旅人の食事に使ったお膳・お椀など貴重な歴史資料を展示する。
私設資料館を開くのは木崎町の長谷川一男さん(63)。長谷屋の子孫で「時間の許す限り歴史資料を多くの人に見てもらえれば…」と開設を思い立った。そして古くなった昔の建物を、町の保存修理修景事業の適用を受けて五月中旬から改修工事していた。
建物は中二階建て約百平方b。道路に面した外側は格子を施し屋根もふき替えた。内部は表の二間(三十三平方b)を資料館とするため、往時の旅籠そのままに土間と縁側などを復元して、七月いっぱいで完成させた。
展示するのは「旅館・はせや伊三郎」「休泊・長谷屋伊三郎」など旅籠の看板のほか、旅人相手の飲屋もしていた「うどんそば・御支度所」の看板。それに講札、箱火鉢、屏風、箪笥など多数。旅籠ゆえに四十組以上も『通し物』として揃っているお膳・お椀・茶碗セットも飾る予定。
初めての私設資料館とあって、見学希望者は事前予約が必要。長谷川さんの都合を聞くなど、斡旋作業は町教育委員会の町並み保存担当者が行う。問い合わせ・申し込みは町教委=電話05959(6)1201=まで。
これらの歴史資料は修復の際、中二階から見つかった物ばかり。大人が立つと頭がつかえる中二階は、どの町屋にもある部屋で、明治以降は物置として使用。現在でも使わなくなった物を長年にわたって保存している家が多く、『文化財の宝庫』として注目されている。
町教委は「歴史資料は在るべき物が、その家に残りその場にあることが一番価値あること」と説明。持ち主がその気になれば「どしどし私設資料館の開設を援助していきたい」と話している。
|